水彩絵の具セットを思い通り使うには、筆洗バケツやパレットの使い方や絵の具の水加減や混色方法など身に付けるべき技能がたくさんあります。その中のひとつに筆の使い方が挙げられます。穂先をそろえて、ゆっくりと動かすという技能を身に付けると同時に、線の模様の面白さを感じる題材です。

中学年平面作品-大すき自分の線と色

作品イメージ
【用具材料】
絵の具セット
白画用紙(4つ切り)
白画用紙(全紙)

【制作手順-4時間 対象-3年生】
1.画用紙に1色だけ使い線の模様を描く(1時間)
2.模様に色を付け加えたり、形を付け加えたりする(1時間)
3.班で全紙に1色で線の模様を描く(1時間)
4.模様に色を付け加えたり、形を付け加えたりする。鑑賞する(1時間)
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制作過程写真解説


1.直線と曲線で模様の例を示した

2.好きな色を決め、1色だけで描く

3.途中でかすれたり色が薄くなったりしないように

4.線の太さに変化を付ける

5.飛び飛びに描いても構わない

6.模様をつなぐ線が次第にできてくる

7.波線を入れても楽しい

8.模様だけではなく、何かの形を描く子も

9.他の色を使わないで完成させた作品

10.2色で完成させた作品

11.部分的に中を塗った作品

12.隙間があっても線が引き立つ

13.全紙を前に相談

14.描き始めは自分の前からが多い

15.次第に内側に線が伸び始める

16.1色の線が完成したら、別の色を使って描く

17.別の班の作品

18.別の班の作品

補足説明

・日本文教出版の図画工作3.4年上に掲載されている「大好き自分の色と線」を「筆使いの技能」と「模様の構想」と「友達の描く線の鑑賞」の3つを狙って授業を構成しなおしたもので、2時間で個人作品の制作、後の2時間で班作品の制作の2部構成にした。
・絵筆を使ってきれいに描くためには、筆先を揃え、筆を立て気味にしながら、紙の上をゆっくり動かすことが必要である。また、絵の具の水加減も重要で、水が少ないと線が擦れてスムーズに筆が動かせないし、水が多いと色が薄くなって形がはっきりとしなくなる。特に線の色が薄くなるのは、筆をゆっくり動かしていないか、絵具の量に無頓着かのどちらかなので、途中で線の色が変わらないように気を付けさせた。
・2時間扱いの授業のうち、最初の1時間は1色だけで線を描かせた。これは、色をたびたび変えていると、線がたくさん描けなくなり筆使いの練習にならないためである。1時間で線がある程度かけると、次の1時間は、他の色も使って新たな模様を描いたり、塗ったりする時間にした。この時、家や花、木など模様以外のものを描いてもよい。また、線の模様が十分描けていなければ、引き続き1色で模様を描き続けてもよい。
・後半の2時間で線を描く活動を班で行う理由は「筆使いの技能」を高める機会の設定と「友達の描く線の鑑賞」を深めるためである。班制作は、友達の描く線によって自分たちの作品が変わってくることになり、個人作品の時より友達の活動に関心が高まる。友達の線を鑑賞し、良いところは褒めたり、自分の線に取り入れたり、逆に自分たちの制作意図にそぐわない線を描いていた場合に修正を求めたりする。このように、鑑賞は、見るだけにとどまらず、作品そのものを変えていく重要なものであることを意識しながら、共同作業の中で鑑賞の力を引き上げることも重要である。
・全紙を使うというだけで子ども達はわくわくする。図工では技能を定着させるためにある程度同じことを練習する必要もあるが、全く同じでは意欲はどんどん低下する。同じことをしても、同じと感じさせない工夫が教師には必要だと思う。

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