ビデオで大体の流れは掴んでいただけたと思います。ここでは、前頁までで、触れられなかった事で、重要だと思われることについて、解説しておこうと思います。特に、着色は知らないと大変苦労することにもなりますので、ぜひご一読ください。

木彫指導の補足解説

【木彫作品は何があるか】
教材カタログなどには、卒業記念の木彫作品として、オルゴール箱や写真立て、時計、アルバム表紙などが掲載されている。このなかで、一番よく制作されているのは、オルゴール箱である。オルゴール箱といっても、別売で完成オルゴールを入れるとオルゴール箱になるのであって、予算によってはオルゴールを入れなくてもよい。

オルゴール箱の中にも2種類あって、「組み立て済み」か「バラキット」がまず大きく違う。板は規定の大きさに切られて、組み立て時の溝加工もされているので、「バラキット」でも問題無いように思うが、この組立に意外に苦労する。溝にしっかりはめ込めなかったり、角をきちんと合わせられなかったりして、接着時にどうしても箱にゆがみがでるのだ。「バラキット」を購入するなら、角のゆがみが少くなくなる校倉作りになったものをおすすめするが、特にこだわりがなければ、「組み立て済み」が良い。組み立て済みといっても、天板は取り付けられていないものが多く、天板を彫る時に困るということはない。材質だが、ほお材は丈夫だが彫りにくいので、小学生であることを考えて、最近主流のシナ材がいいと思う。

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【着色はどうするか】
白いシナ材のままだと汚れが目立つので、自然な木の温かみを感じられる色で着色する。この時、着色ニスを使う方法もないわけではないがおすすめしない。一見すると着色ニスは色付けもニス仕上げも一度に出来て便利そうに思う。しかし、ニスは粘度が高く塗りにくいし、ニスが垂れてしまうと、色が付いているだけに垂れた部分が濃くなってしまう。それを直そうとその部分をもう一度塗ると、もちろんその面の色は濃くなる。このように、塗り重ねたり、垂れたりするとその部分の色が濃くなるので、色を均一にすることが大変難しいのである。

以上のことから、着色とニス仕上げは、別にした方が良い。私は、アーテックの木彫用着色剤ウッドステンの「ブラウン」「オリーブ」「チョコ」の3色をもっぱら愛用している。1度塗りできれいに色が付くし、手早く塗ることができて、失敗もない。特に明るい茶色のブラウン色は自然な仕上がりで、少し液が溜まる部分の色が濃くなってもあまり目立たない。子ども達にも人気のある色である。1本(500ml)あれば、1クラス程度塗ることができる。

【仕上げはどうするか】
表面の保護のためにニスかワックスで仕上げをする。ニス仕上げの場合は、薄め液を使って、少し粘度を下げて、さらさらしたニスを薄めに塗って、塗り重ねると美しく仕上がる。ただし、塗り重ねるのには、先に塗ったニスが乾いてからでないといけないので、時間はそれなりにかかる。ところで、早く乾かそうとドライヤーなどでニスに熱を加えてはいけない。泡立ったようになったり、白く変色したりする。

わたしは、ニスを使わず、ワックスで仕上げている。屋内で使う作品なのでそれほど強い皮膜を必要としないことと、時間短縮のためである。先にあげたアーテックの木彫用着色剤ウッドステンなら、ワックスも中に1瓶同梱されている。

【色はつけても良いか】
木彫作品の彩色には、工芸木彫カラーがおすすめである。ウッドステンを塗って、ワックスを塗る前の段階で彩色する。広い範囲に塗っても落ち着いた色合いで木彫の良さを損なうことはない。塗るのに際しても特に難しいことはない。木彫カラーを使う時のように広範囲に塗らない場合は、ポスカなどのアクリル系のマーカーなどでも色を着けることができる。これは、ワックスの前でも後でもよい。ただし、塗り始めるとやめ時が難しく、ついここもあそこもと塗っていると、色が派手な分、汚い仕上がりになる。そもそも、色で表現するなら、木を彫らなくても良かったなどというようなことにもなる。ポスカで色を着ける場合は、ほんの一部、ワンポイントにとどめるようによく指導したい。


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