木版画は板を彫刻刀で彫ることで凹凸を作り、インキの付く付かないを利用して表したいものを白と黒の2階調で表現するものである。(カラーインキを使って白と赤などの2階調で表現することもできる。)小学校で扱われる木版画には、一つの版にいろいろな色をのせて刷り取る「一版多色版画」や一度刷り取った版木をさらに彫り別の色を使って先ほどの紙に重ねて刷り取る「彫り進み版画」などもある。ここでは、もっとも単純な1つの版を作って、1色で刷り取る版画について解説したい。
【輪郭線を白くするか輪郭線を黒くするか】
木版画で最初に考えておかないといけないことは、輪郭線の扱いである。輪郭線を彫る場合、線は白で表現される。三角刀で絵を描くようにして進めていけるので、子ども達が無理なく活動できる。彫る時間も短くて済む場合が多い。合わせて細かい図案にも対応でき、下絵も比較的自由に描かせることができる。注意点としては、線が白いので人などを彫ると顔は黒くなる。
輪郭線を黒くする場合は、輪郭線を彫ってはいけないので、輪郭線を残してそのまわりを彫ることになる。その際、輪郭線が細いと難しいのである程度の太さを持った輪郭線を描く必要がある。そのためには、下絵の段階から、大き目の図案を描く必要がある。
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【木版画の制作過程】人物画(自画像)を木版画で表現する際の制作過程について、下記、および次ページで詳しく説明している。輪郭線を黒で表現するために、顔の大きさと線の太さは大切である。描く範囲が広いと顔が小さくなってしまうので、ここでは、A4版の版木に肩のあたりまで描いている。子ども達を対象に下絵の描き方を詳しく解説したプレゼンテーションファイルを用意したので、参照していただきたい。
下絵の描き方(ppsx) 下絵の描き方(PDF)
次のページからは、実際の制作方法について、動画で説明していきたい。
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