和紙に墨で描きました。墨のかすれや飛び散りが作品に勢いを感じさせ、墨の濃淡が色を感じさせます。面白い形を考えながら描き、その形から発想を広げて次の形を考えていきました。

高学年平面作品-墨のアート

色とり鳥
作品イメージ
【用具材料】
習字道具
絵の具セット
和紙(100kg程度のもの)大判470×315mmひとり7枚
-この実践では、練習に4枚、作品制作に3枚を用意し、紙質も少し変えた
雲華紙4つ切り
友禅千代紙360×255mmを360×25mmの帯に切ったもの1人2~3本
ブラシ スポイト 刷毛 インク練りベラ
【制作手順-8時間 対象-6年生】
1.「線を描く」「点を打つ」「面を塗る」「表現を試す」に分けて4枚の用紙に色々な技法を試す(2時間)
2.濃い墨で中心になるものを描きその形から発想を広げて形を加えていく(2時間)
3.薄墨を使って濃淡で表現する(2時間)
4.絵の具で一部分に色を加える(1時間)
5.雲華紙に作品を貼り、上下に友禅和紙の帯を貼る(0.5時間)
6.振り返りと鑑賞(0.5時間)
【ねらい】
「勢いのある形」や「丁寧な形」、「偶然の形」や「考えた形」など、対比を意識しながら、広がりのある墨絵を描く。濃い墨や薄い墨で濃淡を表現し、モノトーンの中に色の階調を意識する。
【評価】
墨で描くことに興味を持ち、いろいろな技法で描こうとしていたか。
対比を意識しながら、形を描くことができたか。また、全体のバランスを考えながら描くことができたか。
濃い墨や薄い墨を使って、色の変化を表現できたか。
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制作過程写真解説


1.練習用和紙でいろいろな線や点を試す

2.1枚目で線を試す

3.2枚目は点

4.3枚目は塗り

5.4枚目は自分のイメージに合わせていろいろな方法で

6.刷毛やブラシ、スポイトなどを班に渡しておく

7.本番、まず形と腕の動きをシミュレーションしてから

8.中心となる形をまず描く

9.中心になる形から発想を広げ、まわりの形を描いていく

10.偶然の形に対して考えた形を加えるなど対比を考えて描く

11.墨を飛ばすときは、箱の中で行うとよい

12.スポイトを使って墨を落としても面白い

13.大きさの違いにも対比が感じられる。

14.薄墨を使って濃淡を表現

15.全体のバランスを取りながら描き足していく

16.絵の具を使って部分的に色を入れる

17.効果的な場所や色を考えて

18.雲華紙に作品を貼り、友禅千代紙でアクセントをつける

19.完成作品

20.完成作品

21.完成作品

22.完成作品

23.完成作品

24.鑑賞風景

補足説明

・この題材は、6年生でなければ描けない墨絵をめざしている。筆を思い切って動かし、ぽたぽたと墨を垂らしていると低学年でも面白い作品を作ることができる。しかし、低学年でもできることを6年でしていたのでは、学習にならない。6年生に乗り越えさせたい壁(課題)を設定する必要がある。ここでは、それを「広がりのある墨絵」とした。勢いのある形と丁寧な形、両方があることで対比が生まれ、作品に広がりができる。対比は「勢いのある形⇔丁寧な形」「偶然の形⇔考えた形」「黒⇔白」「疎⇔密」など様々に考えられる。このように対比を意識しながら広がりのある墨絵を描くことで、6年でなければ描けない墨絵をめざした。
・1回目の授業(1.2時間目)で「線を描く」「点を打つ」「面を塗る」に分けて、いろいろな方法を各自で試す。
・2回目の授業(3.4時間目)から作品作りに入る。まず、中心になる大きな形(中央に描く形という意味ではない)を描き、その形から発想を広げ、形をつけたしていく。この時間は特に「形」を意識させる。
・描くときのコツは、形が決まるまでシミュレーションして、書き始めたらその形が終わるまで一気に描くことと、描く前に別の紙の上で余分な墨を落としておくことである。もちろん、何度かなぞることで形を整えてもかまわない。
・墨絵の大切な要素にかすれがあるが、意図的にかすれさせるのは難しい。そこで、筆の根もとを押し潰すように握って、筆先を平筆のようにして、毛をまばらにしておくとかすれを作りやすい。
・作品としては1枚だけを完成させるのであるが、偶然の形がうまくできないことも考えられるので作品作り用の和紙は3枚用意した。1枚目ができれば、2枚目、3枚目も描いておく。
・一度にいろいろなことを行うとめあてがあいまいになるので、作品制作の1回目は濃い墨だけを使って、形を考えることに焦点をあてた。2回目に薄墨を使い、3回目に絵の具を使うというように、分けて制作した。
・完成した作品の上下に友禅千代紙の帯を貼った。縦書きは2本で済むが横書きは足らない部分を継ぎ足して貼らないといけない。


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