「授業は楽しいけれど成績が苦痛」とか「苦手な自分に評価は重荷」とかいう声を聞くことがあります。このようにテストて到達度を測れない図工の評価を難しく感じる先生方は多いのではないでしょうか。そこで、このページでは、図工の評価の基本的な考え方や評価の方法を解説したいと思います。
図工の評価を難しく感じる理由
図工はテストで到達度を見るような教科ではありませんが、テストをしないのは図工に限ったことではありません。国語や算数でも「学びに向かう力・人間性等」のようにペーパーテストではわかりにくい観点があります。こういった観点を評価する時、子ども達の活動を観察し、課題への取り組みの様子や発表や話し合いの様子、提出物などから点数化しにくいこの観点を評価されているのではないでしょうか。こうした方法で図工も評価していけばいいので、図工が特殊という訳ではありません。
それでも図工の評価を難しく感じるのは、その絵がいいのか悪いのかは自分の主観的な判断になってしまい、その判断に自信が持てないからだ思います。しかし、そもそも良い悪いで作品を評価するという考えそのものが、評価のあるべき姿からずれてしまっています。
何を評価するのか
正しく評価するためには、「何を評価するのか」ということが重要です。評価するものがずれてしまっていては、正しく評価できません。ちなみに「作品の上手下手」で評価するものではありません。確かに上手に作品を作ることができるのは、技能的に優れているということなので素晴らしいことではあります。 しかし、図工で学習する題材はたくさんあり、題材毎に行う活動が違います。そして、その活動で身に付けさせたい資質能力もその時々で違います。
ですから、その題材で身に付けさせたい資質能力で評価する必要があります。「学習のめあてがどれだけ達成できたか」と言い換えることもできます。この達成度合いを、設定した評価基準に照らして評価していく。こうすることで、正確に判断できるようになっていくと思います。
どうやって評価するか
評価は三つの観点「知識・技能」と「思考・判断・表現力」と「学びに向かう力・人間性等」で行います。「知識技能」は活動や作品の中に現れやすい観点なので、観点の中でも比較的評価しやすいでしょう。もっともお困りになるのは、「思考・判断・表現力」の部分かもしれません。これは、子どもがどのように考えたかをある程度想像できないと評価しにくいからです。この子どもの考えのように見ているだけでは分かりにくいものは、振り返りシートや、題名付き名札のようなものを使って言語化させて、それを参考に評価してみましょう。
このように図工の評価は作品だけをみていてもうまく評価できません。子ども達の活動の様子やつぶやき、題名や感想など、題材にかかわる様々なものを手掛かりに評価することで、子どもの資質能力を正しく判断できると思います。
評価のポイントを動画で詳しく解説
評価の考え方やポイントを動画で詳しく解説しました。文章では書ききれない細かな部分や具体例などを加え、分かりやすくお伝えしています。ぜひご覧ください。
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