日文の図画工作56年生上の教科書に「消してかく」というコンテを使った題材があります。消すことで表現する面白い題材ですが、実際に行うにはなかなか大変な題材でもあります。このページでは、「消してかく」という題材を授業で行う上での注意点とこの題材用の「消しゴムスクラッチ」シートという教材の使い勝手についてお伝えしようと思います。
「消してかく」題材の注意点
「消してかく」という題材は、いろいろなものがコンテの粉で大変汚れるので、その対策が不可欠です。机の上に新聞紙を敷いていても、粉がどうしても机や床に落ちてしまい、かなり黒くなります。それを雑巾で拭くと、雑巾も真っ黒になります。消しゴムも真っ黒になって、もう使うのを諦めたくなるものも出てきます。手が汚れるのは当然ですが、その手で顔を触って顔まで真っ黒になることもあり、しかも、手や顔に付いたコンテは皮脂と混ざってなかなか落ちません。とにかく、あらゆるものがひどく汚れるので、授業よりも後始末が大変な題材です。
コンテを使う時の対応策
・汚れても良い服装
これは、マストです。コンテが服に付くと繊維の間に粉が入り込んでなかなか落とすのに苦労します。そこで、子ども達に汚れても良い服装で活動させるのはもちろんですが、使い捨てのエプロンやゴミ袋に穴を開けて作った簡易の服カバーなど繊維に粉が入り込まないものを使うことをお勧めします。
・消しゴムの用意
消しゴムは子ども達の個人持ちを使うのではなく、別に教材として購入しておくのがいいでしょう。消しゴムについたコンテを落とすこともなかなか大変です。
・手や顔の汚れ対策
手や顔についたコンテが皮脂と混ざると石鹸でも時間をかけて洗わないと落ちません。そこで、使い捨ての手袋を用意しておいて、手の汚れを防ぐことが、顔の汚れ防止にもつながり効果的です。
教材カタログの商品を使う場合
教材カタログに掲載されている「消しゴムスクラッチ」というシート状の商品があります。この教材で、コンテのような粉まみれにならずに、消して絵に表す表現ができます。ただ、コンテとは違った特徴がありますので、事前に理解しておくことが必要です。
消しゴムスクラッチシートの長所
表面の黒い層を削りとっても、消しカスは大量に出ますが、粉が出てくることはありません。コンテのように周りを粉で汚すことがないので、後片付けが簡単です。それでいて、下の写真のように、コンテで出来上がるような雰囲気の作品に仕上げることができます。消してかくという経験のできる教材と言えるでしょう。
消しゴムスクラッチシートの短所
短所は線が出てくるまで、何度もこする必要があることです。力の弱い子どもは苦労するかもしれません。この商品はこするとまず光沢がはがれてきて、光沢のない黒になりさらにこすると、黒がとれて白い部分が出てくるようです。この最初の光沢をはがす時に消しゴムがすべりやすく、その結果こする回数が増えてしまうようです。ただ、砂消しゴムを使うと、簡単に表現していくことができますので、うまく削れない子のためにいくつか用意しておくといいでしょう。
もうひとつの短所はやり直しができないことです。コンテでは、気に入らない部分ができてもコンテをそこに塗ることでやり直すことができます。しかし、こちらの商品は一度白くなった部分をふたたび黒くすることはできません。
まとめ
「消してかく」は大変面白い題材で、ぜひ実践して頂きたいものですが、以下の点に気を付けて行いましょう。
・コンテを使う場合は、汚れ対策を十分にしておきましょう。
・教材シートを使う場合は、シートの特徴を良く理解しておきましょう。
シートを実際に使っているところを動画で
シートを使う場合は、事前に試してみることをお勧めします。それが難しい場合、実際にシートを使っているところを動画に収めていますので、こちらをご活用ください。
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