墨を数滴、画用紙の上に落として傾けると、墨が流れて線ができます。この線が作る偶然の形を活かし、発想を広げる絵画題材です。
制作方法と指導の参考になるポイントを動画で解説
実際に作品を作りながら動画でポイントを詳しく解説しています。ぜひご覧下さい。
題材について
【用具材料】
画用紙-16つ切り又は8つ切り、4つ切りいずれか
墨汁(絵の具で彩色する場合はアクリル絵の具の黒)
彩色用具(絵の具、カラーペン、色鉛筆等)
【活動時間-4時間 対象-3.4年】
(4つ切り画用紙を使用する場合)
1.墨を流す(1時間)
2.色をつける(3時間)
【めあて】
墨の形を活かしながら色や形で彩色する
【評価】
墨の形から発想を広げて、色や形で表現することができたか。
墨を流す
画用紙に数滴墨を同じ場所に垂らします。こんもりと山のようになるように、墨を置く感じで垂らすといいでしょう。紙を傾けると墨が流れます。
なるべく画用紙から落ちないように、紙の向きを変えます。こうしているうちに自然と形ができていきます。
墨が動かなくなったら、墨を足して繰り返します。慣れてくれば、数か所同時に墨を垂らしてもいいでしょう。
いろいろな形の部屋ができたら完成です。墨が完全に乾くまで触らないようにしましょう。
色をつける
絵の具や色鉛筆、カラーペンなどで彩色します。4つ切りの場合は絵の具で、画用紙が小さい場合は、色鉛筆やカラーペンなどでも彩色できます。部屋の中を一色で塗る以外に、模様を描いたり、線で埋めたりといろいろな工夫ができるでしょう。
絵の具で彩色すると、絵の具の水気で墨が滲んで色が濁ってしまいます。絵の具を使う場合は、墨汁ではなく、アクリル絵の具を水で溶いて流れやすくしたものを使うといいでしょう。
色鉛筆で彩色した例です。
補足
・なるべく画用紙から墨を落とさないように指導しても、必ず墨は落ちるので机には新聞紙などを敷いて汚れ対策をしておく必要があります。また、服を汚しやすいので、汚れても良い服装で活動することをお勧めします。
・色を塗っているうちに形が鳥とか昆虫とか、何かに見立てることができる場合があります。その場合は、見立てたものに寄せていくことで、不思議な生き物の絵ができあがります。また、墨の線でできた部屋の中をひとつの場所や場面のようにして、中に人や動物やビルや車などを描く子も出てくるかも知れません。これらは、偶然にできた墨の線に発想を刺激されたことで出てくるアイデアですので、全て認めて、子ども達の感性に任せて描かせればいいと思います。ただ、授業のねらいによっては、具体的な物を描かないで色と模様だけで完成させたいという場合もあると思いますので、そこは先生方で判断していただければと思います。
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