小学校図画工作第5学年第6学年の題材に墨を使って絵に表す題材があります。この題材に版画用の彩色和紙を使い、裏側から彩色することで墨絵に色をプラスする方法を紹介しています。
制作方法と指導の参考になるポイントを動画で解説
実際に作品を作っていく様子を動画でご覧いただけます。墨だけで描いていくパートと裏側から彩色するパートに分かれていますので、彩色しない場合でも参考にして頂けると思います。
題材について
【用具材料】
彩色和紙 8つ切り 数枚
墨汁 えのぐセット
刷毛 ヘラ スポンジ等
【活動時間-4時間 対象-5年6年】
1.墨で表す(2時間)
2.彩色する(1.5時間)
3.鑑賞する(0.5時間)
【めあて】
表現したいことに合わせて用具を選び、墨の濃淡の美しさや、筆跡やにじみの面白さを感じながら墨で表す。
裏彩色の特徴を活かしながら、墨の表現に色を加える。
【評価】
表現したいことに合わせて用具を選び、墨の濃淡の美しさや、筆跡やにじみの面白さを感じながら墨で表すことができたか。
裏彩色の特徴を活かしながら、彩色することができたか。
墨絵 + 裏彩色
墨で描いた後、表側に彩色することは可能で、十分綺麗に色を付けることができます。だた、表からの彩色だと墨の色や形が絵の具にさえぎられてはっきりとしなくなる場合があります。そこで、ここでは、版画用の彩色和紙を使って裏側から色を付けてみます。

墨に水を加えるのではなく、水に墨を加えるようにするとうまく薄墨を作ることができます。

墨を加えながら塗ると、だんだん濃い色になって変化が出ます。

先に水で形を描いておいて、その中だけ滲ませるとおもしろい表現になります。

表から見ると墨の色には影響しないので、形に沿って塗らず塗りつぶしてしまって大丈夫です。

刷毛の左右に違う色を付けてグラデーションのような表現ができます。

裏から見ると赤の上に黄色がありますが、表からだと初めに塗った色が優先されることがわかります。

墨だけでも面白い表現ができますが、色を加えてアレンジするのもいいですね。

補足
・墨で描く題材では、色を付ける必要はありません。色の要素を除外して、墨の濃淡の美しさや、筆跡やにじみの面白さを感じながら活動するのがいいと思います。このページで紹介した裏彩色は、これまで墨を使った題材の経験をお持ちで、少しアレンジを加えてみようと思われた方に参考にして頂くのが良いかと思います。
・墨で表す時間では、用紙を複数枚用意しておき、いろいろな表現を試せるようにしておくといいでしょう。彩色はその中の1枚を選び行います。時間に余裕のある子どもは、彩色も複数枚行うといいでしょう。
・裏彩色に関しては、版画の裏彩色に詳しく解説していますのでご参照ください。
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