画用紙ではなくトレーシングペーパーに描く「絵に表す」題材です。トレーシングペーパーを使うと、裏側から絵の具で彩色することで、輪郭線のはっきりとした表現ができます。絵の具で塗るとはみ出してうまく塗れない子もきれいに仕上げることができるので、おすすめの図工題材です。
トレーシングペーパーに描く様子を動画で解説
下絵を描くところから、トレースして彩色するところ、台紙に貼るところまで、順を追って実際の作品を作りながら解説しています。
題材について
【用具材料】
トレーシングペーパー A4サイズ(薄口)
8つ切り色画用紙(台紙用)
ローラー転がしなどで色や模様のついた紙をA4サイズに切ったもの
A4サイズ上質紙(下絵用)
スティックのり、ネームペン、ホッチキス、絵の具セット
【活動時間-6時間 対象-高学年】
1.下絵を描く(1時間)
2.下絵を写す(1時間)
3.彩色する(3時間)
4.台紙に貼る 鑑賞する(1時間)
【めあて】(不思議な世界というテーマで描く場合)
身の回りの形や物から想像を広げ、組み合わせたり、形や色や構図を工夫したりしながら絵に表す。
トレーシングペーパーの性質を意識しながら、色をぬったり台紙を選んだりする。
【評価】
自分の身の回りの形や物からイメージを広げ、形や色や構図を工夫して描くことができたか。
トレーシングペーパーの性質を生かして作品作りができたか。
下絵を描く
トレーシングペーパーと同じ大きさの上質紙に下絵を描いていきます。線を間違えたり、違う形にしたくなったりしたら、消しゴムを使っても問題ありません。トレーシングペーパーを使って写し取るので、描き直したときの汚れがあっても平気です。ですので、思いついたことをどんどん描いて、イメージを広げていきましょう。
この例では身近な物からイメージを広げて不思議な世界を表現していますが、授業で行う際は、それぞれ最適なテーマをお選びください。
下絵を写す
下絵の紙にトレーシングペーパーを重ねて、動かないように留めます。
マーカーを使って下絵をなぞっていきます。下絵と違ってもOKです。変えたいところは、新しく絵を描くつもりでかきましょう。
色を塗る
トレーシングペーパーを裏返して反対側から絵の具を塗ります。画用紙に塗るときと同じような水加減で塗りましょう。色を混ぜて使うこともできます。
この写真のように、絵の具の水気でトレーシングペーパーにシワができてしまいます。シワができてもやぶれることは滅多にないので、気にせず塗り進めましょう。
絵の具を塗った側はマーカーの線が見えにくくなっていますが、表に返して作品にするので輪郭はきれいに見えます。このように輪郭の線をしっかり残しておきたい場合にトレーシングペーパーは効果的です。
また半透明の紙を通して見ることになるので、絵の具の色も少し柔らかな感じになります。
台紙に貼る
トレーシングペーパーに描くと、色を塗らなかったところは下の色が見えます。そこで、ローラー転がしや滲みなどで色や模様を付けた紙を台紙に使うとおもしろい効果を出せます。
補足
・トレーシングペーパーは、文房具として販売されている手に入りやすい用紙です。もっとも一般的なものは薄口のA4サイズですが、A2やA3の大きさのものもそれほど苦労せずに手に入れることができるでしょう。厚みに関しては、薄口、中厚口、厚口というように数種類が用意されています。
・ここで使用したのは薄口のものですが、絵の具を塗ったり、糊を付けたりすることを考えると中厚口や厚口のものの方が子どもにとって扱いやすいでしょう。ただし、厚いものを使ったからといって、絵の具を塗った時のシワが出ないかというと、そんなこともありません。また、透け方も厚いもののほうが、若干少なくなります。
・模様の付いた紙にトレーシングペーパーを貼る場合、スティックのりのように水分をあまり含まないものが良いでしょう。ボンドやフエキのりで貼ろうとすると、トレーシングペーパーがシワになってうまく貼れない場合があります。
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