このページでは、片面ダンボール(巻きダンボール)を使って、その形を画用紙に写し取って絵に表す題材を取り上げています。この題材は、版画の基礎となるもので、素材の形状を画用紙に写し取ることで自由に表現してきます。
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「写して描く」題材の概要
題材の用具や指導時間
【用具材料】
片面ダンボール 1人8切1枚から1/2程度
画用紙 8つ切り または 4つ切り
えのぐ
個人絵の具セット または 共同絵の具とトレイ
【活動時間-4時間 対象-低学年】
1.片面ダンボールの形を画用紙に写す
2.クレヨンで描きたいものを描く
【めあて】
片面ダンボールの形や使い方を工夫して写し取ることができる
写してできる形や色、組み合わせなどを工夫して絵に表すことができる
【評価】
片面ダンボールの形や使い方を工夫して写し取ることができたか
写してできる形や色、組み合わせなどを工夫して絵に表すことができたか
制作過程
パレットの大きな部屋に絵の具と水を多めに、濃い色水を作ります。
片面ダンボールが長い場合は、軽く巻いて絵の具を付けましょう。
形を考えながら、画用紙に写していきます。
片面ダンボールを巻いて使ったり、デコボコの面を使ったりしていろいろな形を写すことができます。
クレヨンを使って描きたいものを加えていきます。
解説
●題材の位置づけとしては、形を作ってこれを写し取るので、絵に表す題材の中でも版画の基礎的な題材になります。片面ダンボール以外に、ペットボトルキャップやプチプチ、洗濯バサミやボタンなど他にも形を写せるものを用意しても面白くなります。
●題材を行うには、いろいろな大きさ、長さの片面ダンボールが必要です。これを、子どもたちがハサミで切るとまっすぐに切ず、断面をきれいに写し取れません。できれば指導者の方で切っておくことをおすすめします。
●この題材でも子どもたちがつまずく箇所は、長い帯のような片面ダンボールを広げて扱う場面です。パレットで絵の具を付けるためには、パレットに入る大きさに一旦巻いて、写すためには、再び広げなければなりません。特に、画用紙の端から端まで届くような片面ダンボールを使うと紙面を区切ることができて面白いのですが、子どもたちが扱うには苦労するかもしれません。この解決方法は、単純に片面ダンボールの長さを短くする方法と大きめのトレイのようなもので絵の具を付ける方法があります。グループに2から3色程度の共同絵の具をトレイで用意することができるならパレットよりトレイをおすすめします。
●写し取るだけで作品の完成としてもOKですが、もう少し手を加える場合は、絵の具が乾いてからクレヨンで好きなものを描き足すのもいいでしょう。片面ダンボールを写し取ってできた形や色が次の発想のヒントになります。ここを道路にしてとか公園にしてとか、いろいろイメージが湧いてくると思いますので、描きたいものが次々に浮かんでくるのではないでしょうか。また、片面ダンボールを写し取る段階から、何らかの意味をもたせながら形作りをしている子どもも多いはずです。そういった子にとっても、クレヨンで描き足す活動は楽しいと思います。
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