木工ボンドは、木工と名前がついていますが、木材以外に紙や布も接着できる便利で身近な接着剤です。その身近さ故に、特に何も意識せずに使われているかもしれません。そこで、このページでは授業に役立つ知識に絞って、木工ボンドを徹底解説したいと思います。
うまく接着するためのコツ
木工ボンドで、うまく接着するためのコツは、「ノズルを付けて出す」ことです。接着剤をうまく使うためには、多過ぎないことが大切です。なぜなら、接着するためには、木工ボンドが乾くことが必要だからです。量が多いと乾くのに時間がかかって接着しにくくなります。
しかし、子ども達の多くは、ボンドの出し方を間違っているので、ボンドが多くなりがちです。
子ども達がボンドを出す場面を観察してみてください。殆どの子どもが、接着剤の容器を空中で押して接着剤を出していると思います。これが出し過ぎの原因です。(写真上)
出し過ぎにならない出し方は、ノズルを接着面にくっつけるようにして、出していきます。(写真下)
出されたボンドを比べると一目瞭然ですね。接着面にくっつけながら出した方は、接着剤が薄く伸ばされています。こうすると出す接着剤の量を加減しやすくなりますし、厚みが少ないので接着した時に横からはみ出すことも少なくなります。
木工ボンドの特徴に応じた使い方
接着時間を考える
木工ボンドが完全に硬化をするには、12時間から24時間もかかります。完全にではなく作業に支障のない程度の強度に達するのでも、2から4時間程もかかってしまいます。速乾タイプでも、完全硬化までの時間はかわりません。変わるのはある程度の強度に達するまでの時間で、これが半分程度になるとのことです。
このように木工ボンドを使う限りは、授業中に強度が出ることは期待できないことになります。ただし、硬化が始まるのは10分程度ですから、くっつけてからしばらくすると固まり始めてはいます。これらのことから、木工ボンドを使う場合、授業の中では強度でなく、保持力を期待して使うことになります。そのためにも、ボンドが多すぎるとかえって保持力が下がるのでよくないことになります。
完全に固まるまでの時間が長い木工ボンドの欠点を、最初の保持力の高さでカバーする商品もあります。これが、サクラクレパスのボンドタッチや彩光社のプッシュボンドなどです。これらは、木工ボンドだと外れてしまうような場面でも、比較的簡単に付けることができます。しかも、ノズルを細くしてボンドの量を加減しやすくしたり、弱い力でも出しやすい容器になっていたりして、子どもが扱いやすい商品です。木工ボンドとほぼ同じ感覚で扱えますので、予算が許せばこれらのボンドがおすすめです。
ドライヤーは使わない
乾かせば早く接着できるのなら、ドライヤーを使うのはどうでしょう。これは、基本的にはNGです。接着面に塗ったボンドにドライヤーの温風を当てると、表面に膜を張ったような状態になります。これは、ボンド全体がいい具合に乾燥するのではなく、表面だけが先に乾燥してしまった状態です。乾いて膜状になった表面には接着する力がなくなってしまいます。
もしドライヤーを使うなら、接着が終わってから、接着した部分の外側から温風を当てるようにしてください。これだと接着面はすでにくっついていますので問題ありません。ただし、ドライヤーの温風はボンドではなく接着したものが受けることになって、その素材を通してしか熱がボンドに伝わりません。多少、ボンドの硬化が早まるとはいえ非効率だと思います。
はみ出した木工ボンドの処理
木工ボンドは塗ってから、接着するもの同士を圧着して使います。強く両者を押し付けるということですね。こうすると、ボンドはどうしてもはみだしてしまいます。少しはみ出したぐらいならそのままにしておきましょう。接着面だけでなく、外側からもくっつける役割をして、より強く接着することができます。このことを利用して、わざと外側からボンドを付けて強度を増すこともできます。
はみ出した量があまりに多い場合は拭き取ることになりますが、そのような場合は、ティッシュペーパーに水を含ませて拭き取るようにするときれいに取れます。特に、机や床にボンドを付けてしまった場合は、乾くと取れなくなるので、早めに水拭きをしておきましょう。 またノズルにボンドが付いた場合も濡らしたティッシュペーパーが役立ちます。
木工ボンドを動画で徹底解説
このページの内容をより詳しく動画で解説しています。ここで取り上げきれなかった知っていると得する木工ボンドの小技も収録していますので、ぜひ御覧下さい。
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