友だちの真似をする子の指導

友だちの真似をする子の指導 記事

 みなさんの担当されている子ども達の中に、友達の真似をする子はいませんでしょうか。気が付くと2人、もしくは何人かの作品が瓜二つ。これはどのように指導していけばいいのでしょうか。このページでは、そんな図工における「真似」について考えてみたいと思います。

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真似をすることへの対応が難しい理由

 図工は創造性を養う教科であることから、真似をすることは創造性とは逆の感じがして好ましくない気がします。しかしこれは意外に複雑で対応が難しいことなのかもしれません。
 なぜ対応が難しいのか、それは、学習が模倣の形を取ることが多いという学習の根本的な仕組みに関すること、もうひとつが、発想の浮かばない子どもが活動するための数少ない選択肢として行っている場合があるからです。

学習と模倣

 そもそも、学習は、赤ちゃんや幼児が言葉を習得する聞き真似にはじまり、文字の学習では字の形や筆順を真似します。運動においても、技能の習得は視覚模倣と身体模倣で成立します。挨拶や礼儀などの社会的規範でも、人のふるまいを見て学ぶ観察学習の結果だといえます。

 芸術分野でも同様で、ギリシャやローマの古典文化を再生させようとしたルネサンスや、浮世絵に影響を受けたジャポニズムなどは、誰でも知っている有名な模倣の例でしょう。また、図工、美術の教科書でも、美術作品を鑑賞し、それを元に創作する題材が取り上げられています。以上のように、何かを真似ることは悪い事ではなく、創作のための重要な仕組みのひとつだといえます。

発想が浮かばない子

 対応が難しい理由の2つ目は、発想の浮かばない子どもの存在です。何をしていいか考え付かずに苦肉の策として友達の真似をする場合、友達の真似という道を閉ざされてしまえばその子どもは材料を前に固まってしまいます。そもそも、発想の浮かばない子どもに対して、周りの子ども達が作っている様子を鑑賞させて、発想や活動のヒントをつかませるのは、よく行われている指導ではないでしょうか。
 その結果、よく似たものができてしまうのも仕方ないことかもしれません。

友だちの真似をする子の指導

真似をすることへの指導

 真似をすることは、鑑賞から創作へのひとつの道筋と考えられるプラスの面と、自分で思考することが少なくなるマイナス面があります。理想は友達の作品を鑑賞して、参考にしたり取り入れたりしながら、自身の作品を見つめ直すことです。

 この時、先生方が普段行われている、「友達のいいところに自分の発想をプラスしてね」というような言葉がけはいい指導だと思います。加えて、教師側からの働きかけではなく、子ども自らが真似をする必要を感じなくなることも大切です。

 一例をあげると、計画的あるいは着実に制作を進める必要があると、活動に緊張を伴いがちです。このような場合、不安から周りの様子を伺ってその結果、真似をすることにつながることがあります。

 そこで、あまり考えずに手を動かすことで出来上がっていく題材や、小さな部分から始めてそれが広がっていくような題材などを、適宜取り入れてみるのはどうでしょう。そういった経験を積むことで、自分の感覚で制作を進めていくことに慣れて、真似をする必要が無くなっていくのではないでしょうか。

友だちの真似をする子の指導

その他の対応

 発想が浮かばない訳ではなく、仲が良いことが災いして、何でも一緒にしたいという思いから友達の真似をする場合もあります。共感性や人間関係の敏感さから現れる傾向とはいえ、依存関係が強すぎる状態が長く続くと、ひとりでは活動できなくなる可能性があります。本来備えている能力すら活かせない状態ですので、ある程度早めに対応するのがいいでしょう。自然な形で席やグループを離すといった空間的な対応や、子どもによってテーマや材料を変えるといった内容的な対応など、いろいろな方法の中から、その子たちに適したものを選択していただければと思います。

 低学年に関しては、自主性や個性の確立が十分ではなく、なんでも一緒というのは発達過程の一面でもありますので、学年が進んだ場合の対応とは異なります。ほとんどの場合は普段の活動の中で、自分なりの表現ができるように成長していけると思いますが、それぞれの違いを感じられたり、自分らしさに目を向けたりするような学習機会を持つのもいいかもしれません。

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