図工のタイムパフォーマンスを改善する

図工のタイムパフォーマンス改善 記事

 図工は扱う材料用具が多く準備に時間がかかります。また、進度の違いで作品完成までに授業時間だけでなく、休み時間や放課後まで時間をとられることも多いでしょう。とにかく時間を必要とするので、多忙を極める先生にとっては図工を鬼門のようにとらえられているかもしれません。そこで、今回のテーマは、先生にとってタイムパフォーマンス、いわゆるタイパの良い図工にする方法を考えてみたいと思います。

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タイパを良くするためには教科特性をしっかり理解すること

 担任の先生は、全ての教科の教材研究と授業準備を行う必要があります。当然、図工の教材研究や授業準備にそれ程時間を割くこともできないでしょう。ところが、教科理解が不十分だと、方向違いに大変なことをされる場合もあって、かえって多くの時間や労力を図工にそそぐ結果になっている場合もあります。

 そこで、タイパを良くするためには、教科の特性をしっかり理解する必要があります。そしてこの教科特性を中心にタイパのいい図工を考えてみましょう。

タイパのいい図工 1

 タイパのいい図工にするためのひとつめは、「作品にとらわれないこと」です。図工は作品作りの教科のように考えられがちです。作品作りにこだわるから、上手に作らせないといけないと思ったり、完成させなければならないと考えたりします。

 作品をすべての子どもが完成するためには、時間がかかります。遅い子の為に、休み時間や放課後なんかを使うこともあるのではないでしょうか。これは授業時間が、時間割で決められた45分とか90分とかいう時間ではなく、作品が完成するまでの時間になってしまっています。たまには進度の違いを吸収するために追加の時間を使うこともあるでしょうが、図工をするたびにそうなっていては、先生にとっても子どもにとっても負担が大きいでしょう。

 そういったことを全て解決するのが、作品にとらわれない図工です。図工を作品作りの教科ととらえるのではなく、造形経験の教科ととらえてみましょう。

 例えば、小さな紙にいろいろな線を試してみるのも図工の授業です。思い思いに線を描いた小さな紙はとても作品と呼べるものではありません。しかし、絵の具の色や線の形、筆の使い方、水の量などを工夫して描く経験は、子どもの感性や工夫が発揮され、資質能力を伸ばすことができます。 他にも、画用紙をハサミで好きな形に切って、それを折ったり、接着したりして形を工夫すれば立体に表す活動になりますね。

図工のタイムパフォーマンス改善

 こうした学習は、ここまで完成させなければならないということはないので、授業の終了時間がくればそこで終わることができます。作品を作ってはダメだということではありませんが、常に作品を作ろうとしないで、造形経験を楽しめる機会を増やしていくことで、先生の負担を減らしながら、子どもの資質能力を高めることができると思います。

タイパのいい図工 2

 タイパのいい図工のためのふたつ目の方法は、「教科書を良く見ること」です。教科書には学習のめあてや、扱う材料や用具、活動の様子などひとめで分かるようになっています。先生の中には、教科書を良く見ないで、教材カタログで題材を決めてしまわれる方もいらっしゃるようです。確かに教材キットを使うと材料がセットされているので、材料の準備に関しては時短ができます。

 しかし、教材キットで題材を選んでしまうと、先にお話ししたのとは逆の、作品にとらわれた図工になってしまいます。さらにキットを完成させることに重点が置かれた授業は、残念ながら学習時間に見合った資質能力を育成できないことが多いでしょう。

 本来は、教材キットを使うにしてもその教材キットでどのような資質能力を育てるのか、あるいはどのような資質能力を育てるためにその教材キットを選んだのかが明確でなければなりません。

 もし、先に教科書を良く見ておいて、学習のめあてをしっかりつかんだ上で、カタログを見れば、そのキットが学習に最適かどうかがはっきりしたと思います。そもそも、教科書を見ている段階で、この題材は作品にしなくてもいいのでは、とか、キットでなくとも別の材料で代替することも可能だとかいうことになってくるかもしれません。

図工のタイムパフォーマンス改善

 教科書を良く見ると言っても、図工の場合は、ひとつの題材で1ページか2ページなので、大した時間がかかる訳ではありません。しかし、その手間をかけることで、学習のめあてがはっきりして、授業がやりやすくなります。

 少々の時間をかけて教科書を良く見ることで、図工の授業が的外れになったりしないのなら、これはタイパがいいといえるのではないでしょうか。教科書は先生にとっての道しるべのようなものと考えて、ぜひ活用されることをお勧めします。 

 それでは、まとめです。

●作品にとらわれない図工でタイパを良くする。
●教科書活用でタイパを良くする。

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