木版画の彫りに模様を入れると、とても面白い効果を得ることができます。そこで、輪郭を描いてその中に模様を詰め込むようにして彫っていく題材を考えてみました。子ども自身が自分の考えで模様を作ったり組み合わせたりしながら彫っていくので、その子の技能に応じた学習ができる題材です。また、輪郭の中に部屋を作りながら進めていくだけで、自然と面白い作品になります。簡単で失敗がなく、映えるおすすめの彫刻刀の題材です。
題材の制作過程を動画で解説
制作過程を動画でわかりやすく解説しています。まずはこちらをご覧ください。
輪郭に模様を詰め込む木版画の題材概要
【用具材料】
彫り 版木 版画作業版 彫刻刀
刷り 版画インキ 練版 ローラー バレン 刷り紙 新聞紙
【活動時間-5時間~8時間 対象-4年生以上】
1.板に下絵を描く
2.部屋を分けながら輪郭の中を模様で彫る
3.周りを彫る
4.刷り取る
【めあて】
彫刻刀でできる模様を考えたり、組み合わせたりして版を彫り木版画に表す
【評価】
模様の種類や組み合わせを工夫しながら、木版画に表すことができたか
輪郭に模様を詰め込む木版画の制作過程
輪郭を板に描く
三角刀で輪郭を彫る
輪郭の中を線で分ける
線で分けられた部屋の中を模様で彫っていく
部屋を区切りながら模様を彫る
輪郭の中が模様でいっぱいになった
周りを彫る時も輪郭を彫り
その中に模様を入れるようにして彫っていく
輪郭同士が重ならないように間を開けて彫る
輪郭をつくらないで彫ることもできる
全体のバランスを考えながら仕上げていく
木版画の版が完成した
輪郭に模様を詰め込む木版画の詳細
・活動時間は、版木の大きさと実施学年によって変動する。写真と動画の中で写っている版木は撮影の都合上、8つ切り(360×260×4mm)を半分 (180×260×4mm)にしたものである。8つ切りより小さい板で手に入りやすいものは 300×225×4mmがある。
・この例では鳥を1羽大きく描いているが、絵の中心となるものが2つであっても構わない。生き物だけなく、建築物や機械のようなものでも題材になる。また、円や多角形といった図形でも、この題材では面白いものができる。
・輪郭の中を線で区切って部屋を作る時、一度にいくつもの部屋を作るのではなく、ひとつの部屋が模様で彫れたら次の部屋を作るようにした方が良い。
・輪郭同士がくっ付くと、描いているものが分からなくなることがあるので、形は重ならないようにする。
・木版画の模様の彫り方については、下記にワークシート付きで詳しく解説しているので、参考にして頂きたい。
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