こうすればその絵はもっと良くなる

その絵はもっと良くなる 記事

 参観日に掲示されている作品や作品展に飾られている作品。保護者の方や地域の方に見て頂くとあって、子ども達のがんばりが伝わってきます。先生の指導にも力が入ったのではないでしょうか。ただ、クラスや学年の全員分が並ぶと、一枚だけ見ていては気づかなかったことが、気になりはじめる時があります。

 たとえば技法が同じ場合があります。同じ用具を使ったのだから、多少似てくるのは当然のことと思われるでしょうか。でも、その考えを変えてみると、子ども達の絵はもっと良くなるかもしれません。

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技法を決めて描くことの良い点と悪い点

 たとえばローラー転がしで画用紙に色や模様を付けて、それを作品の背景にするというようなことがあります。自分で色を選んで、重ね方や転がし方を工夫しながら色を付けます。これだと、子ども一人ひとり違った色や模様の背景ができます。ただし、みんなが同じローラー転がしで色を付けていますので、ある程度は異なっていますが、全体的として似た印象になるのは避けられません。

ローラー転がしによる背景

 技法を決めて描くと、準備する用具の種類が少なくて済みます。また、一斉指導もやりやすくなります。ただ、一斉指導がやりやすいということは、先生が描かせているのであって、子ども達が自分の考えで描いているのではありません。

 「ローラーの転がし方や使う色を工夫」する時と、「どんな技法でどのようにぬるかを工夫」する時では、どちらがより工夫できるでしょうか。自分のイメージを表現するのに良さそうな技法は何か。それを自分で決めていくことで、図工の資質能力は伸びていきます。

 技法を決めて描くと指導はやりやすくなりますが、子ども達が能力を発揮する機会は少なくなってしまいます。

子ども達に技法を選ばせてみよう

 子ども達自身にどのような技法を使うか考えさせてみましょう。ただ、そのためには使う技法を「事前に経験しておく」必要があります。

 いきなり自分のイメージにふさわしい技法を選んでみましょうと言ってもどうしたらいいのか分かりません。普段のいろいろな技法の経験があってはじめて、それを自分の考えで作品に活かすことができます。

 例えば、それぞれ違う技法を選んで描くと上の絵はこのように変わります。

背景の技法

絵を良くするためのヒントを動画で解説

 教師が技法を決めてしまう授業ではなく、複数の技法の中から子ども達が選択する授業へ。そのための方法を分かりやすく解説しました。ぜひご覧ください。

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