図工の材料や用具は、とても数が多く、それらを収納整理して活用できる状態にしておくためには、とても労力が必要です。特に、図工室の管理を任されている図工専科の先生や図工担当の先生は、日々ご苦労なさっているのではないでしょうか。そこで、このページでは、図工の材料用具の収納整理に役立つアイディアを取り上げてみたいと思います。
収納整理の基本
収納整理の基本として、取り出しやすく把握しやすくをモットーに、利便性向上の方法と在庫管理の仕方について考えてみたいと思います。
取り出しやすい工夫
同じ種類の用具を同じ箇所に片付けるのは当然ですが、この時、棚や引き出しなどに直接いれるのではなく、ひとまとめにして箱などに入れた上で棚や引き出しなどに片付けましょう。こうすることで、1回で全部の用具を取り出すことができます。この箱は入っているものがわかりやすいよう、トレイのように背のあまり高くないものがいいでしょう。わたしは、適当なダンボール箱を10cm程度の深さに切って使っていました。
箱にはラベルを貼る
蓋のできる箱に入れた場合は、ラベルなどを貼って、何が入っているか箱を開けずに確認できるようにしておきましょう。ところで、ラベルを貼った場合は、自然に目に入るようにしてあるのが理想です。普段から何気なくでも目にしていると、どこに仕舞ったのかを思い出せますが、そうでない場合は、仕舞ってあること自体を忘れてしまうことがあります。特に材料のような消耗品は、残っていることを忘れてしまい、不要なものを余分に購入してしまうことが起こりがちです。
色ごとに整理すると在庫管理がしやすくなる
マーカーは何色かがセットになっていますが、箱のままではなく、色ごとに管理しておくと、書けなくなったものを廃棄したり新しいものを補充したりということが楽にできます。普段から書けないマーカーを戻さず教師に渡すように指導しておけば、書けないマーカーがいつまでも保管場所に残っていることを防げます。先生が書けないと判断したものは、その都度処分しておくと、ひと目でどの色が減っているのかわかります。折を見て減った分を補充すればいいですね。
関連させて収納する
ところで、それぞれの用具だけではなく、複数の用具を関連させて収納しておくとさらに利便性が向上します。たとえば、クレヨン、パスや筆、色鉛筆、マーカーなどの描画用具、ボンドやのり、カッターナイフやはさみなど工作用具といった具合に近くにまとめておくと、見つけやすく、取り出しやすくなります。
整理された状態を維持する方法
片付けるためにはそれ相応の労力が必要です。それがすぐにカオス状態に戻ってしまっては、悲しすぎます。整理できたらできるだけその状態を維持したいものです。
スペースを有効活用しない
スペースの有効活用を極めていくと、少ないスペースにも驚くほどの物を収納できます。それはそれで素晴らしいと思いますが、図工室や教室で保管されるものは、季節物ではなく、日々の授業に使うものです。夏の間、冬物を押入れの置くに入れておくのとは訳が違います。
物を収納する場合、収納場所いっぱいまで入れてしまわないで、6割から8割程度を限度として考えて置くと、整理した状態を長続きさせることができます。
物を減らす
限られた収納場所に余裕を持たせるために、物を減らすことを考える必要があるかもしれません。
この時、真っ先に処分した方がいいものは、現在の教育過程では使わない備品や用具です。足の踏み場もないぐらい物に溢れた図工準備室に、デッサン用の石膏像が、特等席に鎮座している学校はありませんか。これらは保管していても、日の目を見ることはないと思います。また、IT機器の導入で、使わなくなった図鑑や資料のようなものもあるかもしれません。いつか使うと思って取ってある端材や題材の残りなども近々使う予定がないなら思い切って処分しましょう。
不要なものを処分して、ゆとりを持たせて保管することが、整った状態を維持するためには必要です。
図工の材料や用具の片付けを動画で解説
このページの内容を動画で解説しています。動画では、ここで取り上げなかった「用具別と活動別」の整理についても取り上げています。
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