思いのままに描いた線の中に彫刻刀で模様を彫っていきます。人物画では顔を白くしようと広い面積を彫り取ってしまいますが、この題材は彫り取るだけではなく、彫り跡の間隔や形、繰り返し方などを工夫しながら進めていくことができます。また、模様の大小や部屋の数で時間のかかり方を変えることができますから、進度の違いを調整することも容易です。

中学年平面作品-線の中に模様を見つけて

色とり鳥
作品イメージ
【用具材料】
彫刻刀、カラーべニア八つ切り版木(360mm×260mm×4mm)、八つ切り彩色和紙(380mm×273mm-1人3枚)、版画作業版、見当紙、バレン、練り板、ローラー、養生シート、新聞紙、インキ(黒)、絵の具
参考動画-「面白い線と模様彫りで表現する楽しい木版画
【制作手順-10時間 対象-4年生】
1.紙に試し描きをしたあと、マーカーで版木に線を描く(1時間)
2.線の内側に模様を彫る(3時間)
3.線の外側と背景を彫る(1時間)
4.刷る(1時間)
5.裏から絵の具で彩色する(2時間)
【めあて】
彫刻刀を使い分けながら、線の中の模様を工夫して木版に表そう
【評価】
安全に気を付けながら、彫る場所や形で彫刻刀を使い分けて模様を工夫することができたか。
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制作過程写真解説

模様彫りの木版画01
1.紙と鉛筆で試し描き
模様彫りの木版画02
2.下描きせずに、油性マーカーで太く力強い線で描いていく
模様彫りの木版画03
3.ゆっくりと線の向きや形を考えながら描く
模様彫りの木版画04
4.線の内側を三角刀で線に沿って彫る
模様彫りの木版画05
5.三角刀の彫りで囲まれた部屋の中に模様を彫る
模様彫りの木版画06
6.ひとつの部屋を彫ったら、次の部屋へ
模様彫りの木版画07
7.ひとつの部屋の中を複数の模様で彫っても良い
模様彫りの木版画08
8.部屋を分ける線や形をマーカーで付け足しても良い
模様彫りの木版画09
9.小さな部屋や消したい線は、その線を無視するだけでOK
模様彫りの木版画10
10.彫っているうちにいろいろな模様を発見する
模様彫りの木版画11
11.印刀と他の刀を組み合わせた模様
模様彫りの木版画12
12.彫る場所や彫りたい模様に合わせて
模様彫りの木版画13
13.彫刻刀を使い分ける
模様彫りの木版画14
14.内側が彫れたら線の外側を線に沿って三角刀で彫る
模様彫りの木版画15
15.形の周りも工夫しながら彫っていく
模様彫りの木版画16
16.版が完成した
模様彫りの木版画17
17.板にインキを付けて
模様彫りの木版画18
18.バレンでこすって刷り取る
模様彫りの木版画19
19.きれに刷れた
模様彫りの木版画20
20.必要な枚数が刷れたら板を水洗いする
模様彫りの木版画21
21.彩色和紙を使うと裏側から絵の具で色を付け加えることができる
模様彫りの木版画22
22.少し水の量を多めにして絵の具を使う
模様彫りの木版画23
23.表から見たところ
模様彫りの木版画24
24.完成作品
模様彫りの木版画25
25.完成作品色なし
模様彫りの木版画26
26.完成作品
模様彫りの木版画27
27.完成作品色なし
模様彫りの木版画28
28.完成作品
模様彫りの木版画29
29.完成作品色なし
模様彫りの木版画30
30.完成作品
模様彫りの木版画31
31.完成作品色なし
模様彫りの木版画32
32.完成作品
模様彫りの木版画33
33.完成作品色なし

補足説明

・下描き無しで描いた線の中に模様を彫っていく木版画の題材である。初めて彫刻刀を使う作品として取り組んでも楽しく学習できる。ただし、各彫刻刀の基本的な使い方は、版木の裏を使うなどしてあらかじめ指導しておく必要がある。手順を「面白い線と模様彫りで表現する楽しい木版画」のページに動画で解説しているので、参照いただきたい。
・紙に試し描きはするが、それにこだわらなくても良い。なるべく一筆書きの要領で線を続けるようにして描くことで、細切れの線ができる事を防ぐことができる。マーカーをゆっくり動かすことで、太く力強い線を描けると同時にどのような形にするか考えながら描くことができる。
・マーカーの線でできた部屋をひとつ選び、マーカーの線の内側(青い部分)を三角刀で彫っていく。部屋の内側をぐるりと一周する形になるので、彫る場合は板が360度回転する必要がある。板を回しながら彫ることをここで押さえておきたい。
・結果的にすべての部屋を彫ることになるかもしれないが、いくつもの部屋をまとめて三角刀で彫るのではなく、ひとつの部屋を三角刀で彫ったら、その部屋に模様を彫り、それができてから次の部屋を彫るようにする。
・部屋が大き過ぎた場合、マーカーで部屋を分ける線を描けばよい。また、部屋が少なかったり、形を付け加えたくなった場合も新たに描き加えることができる。逆に部屋が小さ過ぎた場合、部屋を区切る線を無視して模様を彫るとよい。
・インキを付ける場所を別に用意して、刷りのみを自分の机で行うようにすると効率的である。インキの付いた板を持ち運ぶ必要はあるが、自分の机の上だけで刷れるので、隣の子が彫っていても刷りを行うことができる。彫り終わって刷りに入る前に、自分の机の上を整理して、新聞や刷り紙などを用意してからインキを付けるように指導する。
ここがポイント
マーカーで描いた線は消すことができる。見えていても、彫らない限り刷った時に出てこないので、線を無視することで消すのと同じことができるからである。このことを使って、彫りの遅い子は、いくつかの部屋を彫らないことで、時短を図ることができ、進度をある程度揃えることができる。線の横を三角刀で彫る時、いくつもの部屋をまとめて彫らないのも、同じ理由である。


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