化学接着剤を徹底解説

化学接着剤徹底解説 基本

 図工で使う接着剤は木工ボンドが中心になると思いますが、接着する素材によっては木工ボンドで接着できない場合があります。そんな時は、化学接着剤が選択肢に入ってくるのですが、化学接着剤はよくわからないという声を聞くことがあります。そこで、このページでは化学接着剤を使ったことがない方でも、自信を持って授業で使えるように、わかりやすく徹底解説したいと思います。

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化学接着剤を必要とする場合

 木工ボンドを塗ると接着剤が素材の表面にある小さな穴に入り込んで固まります。これが素材に釘を打つような効果を生んで、素材同士を接着することになります。そのため接着剤が入り込むことができないものは、木工ボンドでは接着することができません。

化学接着剤徹底解説

 木工ボンドの仲間であるボンドタッチやプッシュボンドは、片面が木や布、紙などの場合はペットボトル、ガラスなどを接着できるとされています。これは、片方の紙や木の部分で接着剤を留めておいて、そこを足がかりにしてくっ付けておく仕組みです。ただしあくまで軽く留めている程度です。ペットボトルやガラスの側は接着剤が入り込んでいませんので、ちょっと力を加えると簡単に外れてしまいます。

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 そして双方がペットボトルやガラス、プラスチックなどの接着剤が入り込まない素材は、木工ボンドやそれに類する接着剤では接着できませんので、化学接着剤を使うことになります。

化学接着剤の特徴と使い方

  化学接着剤は成分の異なる製品が数多く販売されており、その成分によって接着できる素材や使い方が異なります。同じ素材同士を接着する場合だけでなく、異なる種類の素材を接着することもありますので、組み合わせに応じた接着剤を使用する必要があります。接着剤のパッケージには必ず何を接着できるのかが明記されていますので、購入前によくご覧になってください。

 合成ゴム系のGクリヤーや速乾Gクリアという接着剤は、革や布、ゴムや木材、金属やプラスチックを接着することができます。守備範囲が広いので、重宝する接着剤です。

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 Gクリヤーの使い方ですが、接着する両面に接着剤を薄く均一に塗ります。付属のヘラなどを使うといいでしょう。触った時、指に付かないぐらいになるまで、5分から15分(速乾Gクリアは5分~10分)放置してから、両面を強く押し付けて接着します。

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 さて、正しい接着の仕方はわかったけれど、問題は放置する5分から10分という時間です。実際の授業ではそんなに待つことはできないと思います。授業でGクリヤーを使われる場合、正しい使い方とは違うかもしれませんが、片面だけに塗ったり、あまり放置時間を取らずに貼ったりと、授業で使いやすい方法で使っていくことになると思います。正しい使い方とは違うかもしれませんが、Gクリヤー自体に粘り気があるので、図工で使う素材の多くはそのような方法でも接着できることが多いでしょう。

化学接着剤の指導方法

 化学接着剤は正しい接着方法より、キャップやチューブの扱い方や管理方法の方が、授業に影響が大きいと思います。なぜならGクリアーなどの接着剤は、空気戻りを防ぐためアルミのチューブに入っていて、このチューブの扱い方を適切に指導しておかないと使いにくくなったり、最後まで使い切れなかったりするからです。

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 このようにチューブを変形させてしまうと、たとえ接着剤が残っていてもうまく使えなくなります。

 そこで、最後まで使うためにはノズルとは逆の側を軽く押さえて接着剤を出します。この時、強く押さえるとチューブがへこんだ容積分の接着剤が外に出るまで、止まらなくなるので注意しましょう。

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 ところで子ども達は、出過ぎた接着剤をキャップで蓋をして止めようとするので、これも要注意です。出過ぎた接着剤をそのままにして無理やりキャップを閉めてしまうと、キャップが接着されてしまいます。ノズルの接着剤は拭き取ってからキャップを閉めるようにしてください。この拭き取りにティッシュペーパーを使うと、ノズルに紙がくっついてしまいますので、布を使います。

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 化学接着剤の管理ですが、授業の終わりに回収して、キャップを締めたまま硬いものでノズルの反対側からしごくようにして、接着剤をノズル側に送っておくことをお勧めします。さらに接着剤が戻らないように、端から折り曲げていってチューブの長さを短くしておきましょう。

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ノズルの先をきれいにしてキャップを閉めることと、チューブをしごいて短くすることの2つを行うと授業で快適に化学接着剤を使うことができます。

木工ボンドを動画で徹底解説

 このページの内容をより詳しく動画で解説しています。ここで取り上げきれなかった「化学接着剤のキャップは閉めずに使う」という常識はずれの方法が、実は理にかなっていることもわかるようになっています。ぜひ御覧下さい。

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