カッターナイフで切り取ると穴が開くのと同時に形ができます。この穴を別の色の紙で塞いで、その紙をまたカッターナイフで切り取ります。こうすると初めにできた形の中に別の形を作ることができます。このようにして、紙を重ねながら、カッターナイフで切り取り、色と模様を楽しむのがこの題材です。
切って重ねての動画解説
本題材を動画で解説しています。まずは、そちらをご覧ください。
切って重ねての題材概要
【材料・用具】
八つ切り色画用紙(3枚から4枚-うち1枚は台紙)
カッターナイフ
カッターマット
スティックのり又は化学接着剤
【制作時間-4時間 対象-中学年】
1.カッターナイフで色画用紙に好きな形の穴を開ける
2.別の色画用紙を裏側から貼る
3.新しく貼った色画用紙、またはこれまでの色画用紙に好きな形の穴を開ける
4.2と3を繰り返す
5.最後に台紙を裏側から貼る
【めあて】
色や形の重なりを工夫しながら、カッターナイフで切り取ることができる
【評価】
カッターナイフで自分のイメージに色画用紙を切ることができたか
色や形の重なりを工夫できたか
切って重ねての制作過程
切って重ねての詳細
・カッターナイフを思うままに使って画用紙に穴を開け、その穴を別の紙で塞ぎ、さらにその紙に穴を開けることで、色と形が現れる題材である。カッターナイフで切る際は、下描きをしない。ひとつの形を切ったら、その形やそれまでの形を見ながら次の形を考えるようにして切っていく。
・対象学年は中学年が適していると思うが、重ねる枚数を減らし複雑な形の関係を要求しなければ、カッターナイフの技能習得を兼ねて2年生でも可能かもしれない。逆に高学年なら4つ切り画用紙を使っても面白いだろう。
・重ねる画用紙は台紙を入れて4枚にしているが、この枚数にこだわらなくてもよい。むしろ切るのに時間がかかって進度が遅れ気味の子は2枚切って完成にするとか、早くできた子は4枚目を台紙ではなく、切るために使ってもいいだろう。
・カッターナイフを使う時のコツは、手はあまり動かさず、肘を引くことである。肘を引きながら、紙を左右に回すことで、切る向きを変えることができる。慣れてくればある程度手首を動かして、さらに複雑な形を切ることができるようになるが、最初は指と手を固定して、肘だけを引くよう指導するとよい。
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・カッターナイフで穴を開けようとすると、どのような形であれぐるりと周回する。つまり、紙は360度回転することになる。このように、常に紙がクルクル回っているのが、うまく切るためには必要である。ただ、例外もあって、穴を分解してきるような場合はこの限りではない。例えば、四角を縦、縦と切って、紙を90度回転させてまた縦縦と切るような場合である。また、両端がくっ付いた舟形のような場合も紙を回転させずに切ることができる。このように、いくつか例外もあるが、肘を引いて切りやすい向きに紙の角度を変えることが、カッターナイフを使う時には重要である。
・糊はスティック糊を使っているがこれは水分で色画用紙を波立たせないためである。なので、化学接着剤でも良い。逆に不易糊や水糊、木工ボンドなどはあまり適さない。
コメント
小学校教員をしております。今日、ためしに自分で作ってみました。
偶然できあがる色や形の組み合わせがとてもおもしろく、子どもたちと早くやってみたいなと感じました。
一つお聞きしたいのですが、この作品の評価について詳しく教えて頂ければ幸いです。
授業目標をどこに置くかによって変わってくるとは思いますが、切ることで現れる色や形をどう考えながら(発想)作っているかを評価することになると思います。形が関連性を持つように切っていたり、効果的に色がでてくるように考えていたりなどでしょうか。そしてこれらの発想を表現していく技能も合わせて評価することになると思います。