このページでは、授業に役立つ内容に特化して、のこぎりの情報をまとめています。のこぎりについては「のこぎりの使い方1」で既に解説していますが、このページではそこで触れられなかった材料ややすりなども取り上げています。合わせて読んで頂くことで、指導のための知識を万全にしていただけると思います。
授業のための「のこぎり」徹底解説
まずは切りやすい材料
木を切るのは疲れる作業です。なので、鋸で切る量が多かったり、切る長さが長かったり、木が硬かったりすると大人でも嫌になります。
そこで、子ども達が鋸で木を切る場合は、切ることが楽しくなるような、簡単に切れる素材であることが必要です。作ろうとする物によるので一概には言えませんが、はじめて鋸を学習する時に扱う木材は、切る距離が長い板材よりも、切る距離の短い角材が適しているでしょう。角材ならひとつ切り落とすのにさほど時間がかからないので、何度も切ろうという気になります。また、ひとつの工程が短時間で済むということは、待ち時間が少なくて済むということでもあります。これは授業では重要なことだと思います。
おすすめはSPF材
切りやすいおすすめの木材はSPF材です。ホームセンターなどでは必ずと言っていいほど置いてある木材です。SPF材とは北米産の松の木や樅の木などの針葉樹で、生育が早い木材です。生育が早いということは、木目が広く柔らかいということでもあります。
サイズはワンバイワンと呼ばれる19mm✕19mmのものや、ワンバイツーの19mm✕38mmの幅と厚みのものがおすすめです。になります。長さは910mmか1820mmのものが一般的ですが、そのままでは長くて扱いにくいかもしれません。別途費用はかかりますが、あらかじめ切断してもらうこともできます。300mmもしくは450mm程度にして納品してもらうといいでしょう。
持ち運びの時と使い終わった時の安全指導を忘れずに
鋸を使う際の安全指導としては、持ち運びの際に刃の部分を下に向けることと、使った後に置く場所については、ぜひ指導しておきたいことです。特に床に鋸を置きっぱなしにすると、足にひっかけたりしてとても危険です。
また、切っている子や周りの子の位置、間隔にも注意をする必要があります。クラスの人数や鋸の数、空きスペースの量など考慮して、鋸を使う場所をどこにするか考えましょう。廊下を活用するのもいいかもしれません。
木は手で押さえた方が安定する
固定には、手で持つ方法と足で押さえる方法があります。足を使うと両手で鋸を使えるメリットはありますが、足で固定するのは簡単ではありません。手のように握って押さえることができないので、しっかりと固定できないからです。板材ならなんとかなりますが、角材だと余計難しいでしょう。使っている木は柔らかくて切るのにそれほど力が要らないものだと思うので、手で木を押さえて、鋸は片手で扱う方がいいでしょう。
のこぎりでうまく切るコツ
・しっかり固定する
鋸は、自身が作った溝の中を前後することで更に深い溝を作って木を切っていきます。しかし、この溝はとても狭いので、鋸刃が左右にブレてしまうと途端に引っかかってしまいます。
引っかかった時、ちょっとした引っ掛かりなら、そこを削り取って何事もなかったかのように、鋸を動かすことができますが、木が動いてしまうとそうはいきません。今まで切っていた溝の向きが変わってしまうので、余計うまく切れなくなってしまいます。それを防ぐためには、木をしっかり固定することが必要です。ただ、子どもの力で木を固定するのはなかなか難しいので、万力やクランプなどが用意できれば、積極的に活用されることをお勧めします。
・力を入れ過ぎない
鋸の刃は荒くデコボコしているので、強く押し付けると木に食い込んでしまいます。鋸は素材を削りながら切る道具です。当然一度に削り取れる量には限りがあります。ですので、力を入れ過ぎるとうまく切ることができなくなってしまいます。少し力を緩める感じで軽く木を削っていくのが、鋸で木をうまく切るコツになります。
のこぎりと合わせてやすりを学習する
鋸は、木を削りながら切っていく仕組みなので切断面はどうしても汚くなって、バリと呼ばれるささくれができてしまいます。そこで、鋸を使う際には、バリをきれいにするためのやすりも一緒に学習しておくといいでしょう。使うやすりは紙やすりでもいいですが、ドレッサーがおすすめです。ドレッサーとは研磨面が金属製の持ち手のついたヤスリで、SPF材を削る程度であれば半永久的に使えます。もし研磨面が悪くなってもそこを取り替えることもできるので、とても経済的です。
木を机の上などで固定して、ドレッサーを動かすのが使いやすいと思いますが、ドレッサーを固定して木の方を動かしても使えます。斜めになった切り口を真っ直ぐにするといった木の形を変えるような削り方もできますが、その場合は万力やクランプなどでしっかり木を固定した上で行うようにしましょう。
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