小学生が低学年の図工で行う版画に紙版画があります。その際、よく行われているのは、単色での刷りだと思います。しかし、多少手間はかかりますが、多色での刷りも捨てがたい魅力があります。
そこで、このページでは、紙版画の多色での刷り方を詳しく解説しています。これを参考に多色での刷りにも取り組んで頂ければ嬉しいです。
カラフル紙版画を動画で解説
混色やグラデーションで刷る紙版画を動画で解説しました。この動画は、前半部分を子ども達が視聴できるように構成しています。授業の導入にお使い頂くことができます。後半は指導者向けの内容です。このページの内容をより詳しく解説していますので、ぜひこちらも合わせて御覧下さい。
色を変えながら刷る
版を台紙に貼らないで刷り取る時、1度の刷りで終わらずに、何回か刷り取ることが多いでしょう。その時、1回目、2回目、3回目のインキの色をそれぞれ変えてすることで、多色での刷りを楽しむことができます。
ここでは、動物の版を作って、色を変えながら刷ってみました。
混色する方法と練り板に出す色を決めておく方法
ひとつの版を色を変えて刷る場合、2通りの方法があります。ひとつは、練り板に出した色を混ぜて変えて行く方法と、もうひとつは、色を決めた練り板とローラーをいくつか用意する方法です。
前者の場合、インキの色が混色されるので、混ぜる量や選ぶ色によって違いがでます。子どもによって違った色を使った刷りができるので、クラス全体で見たときなどはとても色数の豊富な作品が仕上がります。この方法の欠点は、ローラーと練り板を頻繁に洗う必要があることです。クラスの人数が多い場合は、実施のハードルは高いでしょう。
一方、後者の練り板に出す色を固定しておき、使いたい色の練り板のところへ行って刷り取る方法は、基本的には授業の途中で洗う必要はありません。練り板とローラーの数が前者と後者で変わらないとすると、短時間で刷り終わるのは後者でしょう。ただ、人気のある色に子どもが集中することがよくあります。そこで、予備のローラーと練り板を用意しておき、混雑している色を増せるように準備しておくとよりスムーズに学習できるでしょう。
グラデーションで刷る
紙版画をグラデーションで刷ることもできます。魚の版を作りグラデーションで刷り取ってみたのが下の写真です。
次にグラデーションで刷る方法についてです。この方法がうまくいくかどうかは、版の大きさとローラーの幅にかかっているといっても過言ではありません。版にインキを付ける時、ローラーはいろいろな方向に動かす訳にはいきません。なぜなら、グラデーションの向きは決まっているからです。
この時、版の幅がローラーより小さければ問題ありません。版の上をローラーが往復すれば全体にインキがつきます。そこでグラデーションで刷る場合は、幅の広いローラーをお勧めします。
もし、ローラーの方が小さいと塗り残しが出てしまいます。塗り残しが出た場合は、ローラーの左右を入れ替えることで、インキがつかなかった部分にもインキをつけることができます。
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