「立体」と「工作」は、どちらも三次元的な表現を扱うので、違いが今ひとつわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、このページでは、知っているようで知らない、「立体」と「工作」の違いについて取り上げたいと思います。
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「立体」と「工作」の違い
「立体」と「工作」の違いは、「立体」は造形的な面白さ美しさを味わう活動で、「工作」は、目的に応じて機能性や実用性があるものを作っていく活動だというところにあります。別の言い方をすると、「表現のために作る」のか「機能のあるものを作る」のかの違いです。
もう少し具体的に説明します。「立体」は、形や空間の感じ方を大切にする表現活動です。目的のあるものをつくるというよりも、「この形は、どんな感じがするか?」「組み合わせたらどう見えるか?」といった、形そのものの面白さや美しさを探る活動です。何かの役に立つかどうかは関係ありません。粘土で人や動物を作ったり、箱やダンボールを組み合わせていったりする題材がそれにあたります。

一方の「工作」は、使い道や動きなどの機能や仕組みを考えてつくる活動です。「これを入れるにはどのような大きさがいいか?」「うまく動かすにはどうすればいいか?」といったように、目的に応じて制作します。目的がありますから、役に立つものを作るなら役に立つ必要がありますし、動くものを作るなら動く必要があります。ペットボトルや紙パックで小物入れを考えたり、輪ゴムで走るしくみのおもちゃを作ったりする題材がそうです。

「立体」と「工作」の指導の違い
以上のような違いから、「立体」と「工作」では、教師の指導も違ってきます。立体では、形そのものの面白さや美しさを味わうことができるよう、子どもの見方や感じ方を広げるような指導が有効でしょう。「どんな形にしたい?」「見る方向を変えるとどう見える?」など、子どもが自分の感覚で形を探っていけるように促します。

一方、工作では、それを使う場面や仕組みを考える言葉が効果的です。「どこに置くの?」「どうしたら使いやすい?」「どうつなげたらうまく動くかな?」など、子どもがそれを作る目的を意識するよう導くと、課題に即した制作へとつながります。

つまり、立体はどのように感じるかという「感じる言葉」、工作は、どうすればいいかという「考える言葉」がポイントになると思います。
中学校ではどのように発展していくのか
では、これらの活動は中学校ではどのように発展していくのでしょうか。実は、小学校の図画工作は、中学校美術だけにつながっている訳ではありません。中学校では、美術の他に、技術家庭があります。図画工作は、この技術家庭とも関係があります。
「立体」での学びは、主に中学校の美術につながります。小学校での学習が、立体構成や彫塑、空間デザインなど、形や構成を通して自分の感じたことを表現する学習へと発展します。
一方、「工作」での学びは、一部が美術に一部が技術家庭の技術分野につながっています。技術分野では、材料の性質を理解し、仕組みを設計しながら製作する学習が設定されています。小学校の工作で板の厚みや長さを考えながら生活に役立つものを作る経験は、そのまま中学校の設計・製作の基礎になります。こう考えると工作はものづくりの入り口だとも言えます。
それでは、まとめです。
立体は、美しさや形の面白さを味わう活動であり、中学校の美術へつながります。工作は、機能や仕組みを考える活動であり、中学校の技術へつながる部分が多いです。ただ、「立体」と「工作」の線引きは、目標の設定の仕方や授業の進め方によって変わります。そこで、立体の「感じる力」と工作の「考える力」のどちらの道筋も意識しながら、題材や子ども達の実態によって、最適な指導を探っていきたいものです。

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