世界を見渡せる目があったら、どんな音でも聞こえる耳があったら、どこへでもいける翼があったら、・・・。すべての生き物の頂点に立つ、そんな生き物を考えてみました。白い絵具で形を描き、パステルでやわらかい色を付けました。
生き物キングの題材概要
【材料用具】
黒色画用紙4つ切り
パステル(注1)(24色程度-班)
定着スプレー
アクリル絵の具(注2)-白
【制作手順-6時間】
1.王様になれる想像の生き物を考える。-鉛筆でいくつかアイディアスケッチする。(1時間)
2.黒の色画用紙に下描きなしで直接アクリル絵の具で生き物キングを描く。(1時間)
3.パステルで色を塗る。(2時間)
4.周りの様子やそのほかの生き物を付け加える。(1時間)
5.定着スプレーをかけてパステルを保護する。(1時間)
生き物キングの制作過程
筆を立てて、ゆっくりと線を描く
目から描き初め、隣のパーツへと書き進めると良い
耳は口はどんな形にしようかと考えながらゆっくり描く
輪郭から描くと小さくなり、部分的なおもしろさが出しにくい
パステルを使って色を塗る
はみ出さないように気をつけて指でこする
色分けしておいて・・・
境目をこするとグラデーションができる
グラデーションが部分的に入っていると美しい
完成作品
完成作品
完成作品
生き物キングの詳細
・本題材は、生き物の王様に君臨できるような想像の生き物を考えるところから始まる。タイトルの鳥の絵は、目がたくさんあって、すべてのことを見通す力のある鳥である。その力ですべての生き物の上に立つことになった。「何でもかみ砕く強い牙」「おもしろい顔で敵の力が入らない」「たくさんのお金を持っている」などなど、子どもの発想でおもしろい生き物がででくると思われる。
・最初にアイディアスケッチを行うが、描きながら考えて行くので、スケッチに頼りすぎないようにする。
・線描用の白のアクリル絵の具は、教師が水加減を調節したものを配布すると良い。
・線描はできるだけ筆を立たせ、ゆっくり描く。筆が走ると線が汚くなり、形の工夫もできにくい。
・線描は目などのパーツをから描き、口や耳といった隣のパーツに移るようにすると、ひとつひとつのパーツに工夫を入れやすくなる。目の回りに棘のようなものをつけたり、舌がクルクル渦巻き状になっていたり、とおもしろい形の工夫を入れながら描く。そうすることで、絵が大きくなり、画用紙からはみ出す絵ができる。この時、画用紙に収まらない場合は、全体が描けず切れてしまっても良いことを事前に伝えておくのがよい。
・輪郭から描くと、小さくなるだけでなく、部分的な工夫も単純になっておもしろみがなくなることが多い。
・思ったように描けない場合の手だてとして、目を描こうとして小さくなりすぎたり、つぶれてしまって形がうまく見えない場合などの修正の仕方を伝えておくと安心できる。初期であれば、失敗をそのままにして、別の所に改めて描き始めて、失敗を模様やパーツにしてしまう。「うまくゴマカス方法」を伝えておくことで、失敗を活かすことができるようになる。どうしてもうまくいかない場合は「ゴマカシの天才の先生」がなんとかしてあげると伝えておく。ちょっとした声かけだが、これで、失敗を修正できず自暴自棄になる子が随分少なくなる。
・パステルを指でこするとき、なるべく白線を汚さないように、線の内側でこするようにする。
・指が汚れたまま別の色をこすると綺麗な色が出ないので、指を拭くか、洗うようにする。
(注1)パステルの代わりにチョークを使うこともできる。チョークをパステルのように使う方法については、低学年題材ではあるが「チョークで描く」を参考にされたい。
(注2)白の紙に黒で描く場合、水彩でもアクリルでもあまり違いはないが、黒の紙に描く場合は水彩だと黒を隠す力が弱く、はっきりとした白にならない。そこで、発色の良さを期待してアクリルを使っている。白の線の濃さの違いだけの問題なので、水彩絵の具を使えない訳ではない。アクリル絵の具を使う場合は、ターナーのイベントカラーが、お勧めのひとつである。(この題材用途であれば数クラスで使ってもかなり余ると思うが長期の保存も可能である)また、絵の具にこだわらないなら「チョークで描く」のように白のクレヨン・パスで線を描くことも考えられる。
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