教材キットで授業がうまくいかない理由

図工教材キット 記事

 このページでは、各教材メーカーから発売されているこの教材キットについて考えてみたいと思います。 残念なことに教材キットを使うと必ずといっていいほど図工の授業はうまくいきません。それはなぜなのかを解説したいと思います。

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教材キットで授業がうまくいかない理由を動画で解説

このページの内容をさらに詳しく例をあげながら動画で解説しています。ぜひご覧ください。

教材キットで授業がうまくいかない理由

 教材キットがうまくいかない理由、結論から申し上げます。それは、「無駄がない」からです。「無駄がない」ってどういうことなのか、どうしてそれが授業がうまくいかないことにつながるのか、順を追って解説します。

 教材キットは教科書に準拠したものがあって、その題材で必要とされるものが過不足なくまとめてあります。題材の内容から使う材料の種類や量を考えてひとつひとつ準備する手間から解放される教材キットは多忙を極める先生方の強い味方です。しかし、材料の不足がないのはいいとして「過」もないのが問題です。これは教材メーカーとしては当然のことです。余分なものを少なくしてパッケージ化することで、コストを抑えて商品を提供することができます。

 ところが、この材料に無駄がないことが、図工の授業にとっては致命的な欠点となります。材料に無駄がないということはちょっとしたことで、材料が足りなくなるということです。だから、試すことも、やり直すこともできません。そして、どうしても先生が失敗しないように誘導する授業になってしまいます。結果、作品としては成功するが授業としては失敗するということが起こります。これが、「教材キットを使うと図工の授業はうまくいかないようにできている」ということです。

授業がうまくいく教材キットの使い方

 教材キットがうまくいかない理由が「無駄がない」ことなら、無駄があればうまくいくことになります。そこで、教材キットだけで完結させようとしないで、プラスの材料を購入しておくことをお勧めします。

 ダンボールが主体のキットならダンボールを、針金のキットなら針金を追加で用意しておきます。そうすると試行錯誤して足りなくなっても、追加の材料で制作を続けられます。また、材料を単に増やすというだけではなく、材料のバリエーションを増やすような追加の仕方もあります。セットの中に含まれていない素材を追加する方法です。例えば、綿やスポンジ、セロハンや色紙などのセットに、おはな紙や毛糸などを付け加えるような場合です。こうすることで、子どもはいろいろな素材に触れることができ、教材キットだけの場合とは違った発想で取り組むことができます。

図工教材キット

 追加の材料を用意することで、子ども達は試行錯誤することができたり、発想を広げたりすることができるようになります。「失敗させないように誘導しがちな図工」から「失敗の中で学べる図工」へと変化させることができます。

教材メーカーと先生方への提案

 最後に教材メーカーの方への提案です。ひとつは、材料の無駄のない使い方をさせることに重点を置きすぎて、子どもの発想を限定することのないキットの開発を考えて頂きたいと思います。大人なら効率的に材料を使うこともできますが、子どもはそうはいきません。

 もうひとつは、粗悪な接着剤など中途半端なものや使いにくいものは削ってキットを作ってほしいということです。オールインワンをめざして、その教材キットだけを用意すれば、他には何もいらない便利さを追求されているのかもしれませんが、中途半端な印象です。結局、はさみやのりなどは、自分で用意しないといけないので、教材キットだけで図工の授業ができる訳ではないので、必要なものを別で先生方におすすめして頂いた方がいいと思います。

図工教材キット

 次に先生方への提案です。教材キットを使ってみて「ここが使いにくい」とか「これが必要」とか、反対に「これは不要」とか、様々なご意見がおありではないでしょうか。それをそのままにせず、ぜひ教材メーカーに届けてほしいと思います。教材メーカーの方も現場からの声は貴重なはずです。もちろんそうしたことは行われているでしょうが、まだまだ少ないように思います。こういった現場の声を反映させることで、よりよい教材キットの開発につながっていけば素晴らしいと思います。

まとめ

 このページでは、教材キットの問題点とその解決方法について説明してきました。教材キットを使う際には、次の事に留意しながら使ってみてはいかがでしょうか。

教材キットの利用の仕方
・プラスの材料を用意しておく
・「オールインワンのキット」より「基本的なキット+必要な用具」
・現場の声をメーカーに届ける

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