高学年平面作品-彫り進み木版画「彫りと色を重ねて」

彫り進み木版画 平面

彫り進み版画は彫ると刷るを色を変えながら何度か繰り返していく版画です。彫った部分が前の刷りで使った色になります。例えば風景などを表現しようとすると、草の部分を緑色、木の部分を茶色にするためには、何回目に草や木を彫ればいいか考えなくてはなりません。これを未経験の子ども達が最初に計画するのは難しいので、形や模様を付け加えるようにして彫っていく題材を考えました。こうすることで、形や模様を付け加えると同時に、色も付け加えられていき、自然な形で彫り進み版画を学習できます。

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彫りと色を重ねての題材概要

【用具材料】
彫刻刀、版木(450mm×300mm×4mm)、和紙(1人3枚)、版画作業版、見当板、バレン、練り板、ローラー、養生シート、新聞紙、インキ(青、茶、赤、黄、緑)

【制作手順-9時間】
1.彫刻刀を復習し、アイディアスケッチをする(1時間)
2.1回目の彫り(2時間)
3.1回目の彫り(1時間)と1回目の刷り(1時間)
4.2回目の彫り(1時間)と2回目の刷り(1時間)
5.3回目の彫り(1時間)と3回目の刷り(1時間)

【めあて】
色や彫りの重なりを考えながら自分のイメージを木版画で表現することができる。

【評価】
色の重なりを考えながら彫り進めることができたか
自分のイメージに合う色の組み合わせを考えながら刷り取ることができたか。

彫りと色を重ねての制作過程

彫り進み木版画

彫刻刀を試す時は版木の裏を使って

彫り進み木版画

アイディアスケッチ

彫り進み木版画

彫刻刀で絵を描くように下描きなしで三角刀で線を彫る

彫り進み木版画

隣へ隣へを形を付け加えていくと彫り易い

彫り進み木版画

下描きがないと彫りにくい所は、鉛筆で描いても構わない

彫り進み木版画

白くしたいところが彫れたら、1回目の刷りに入る

彫り進み木版画

明るい色のインキ(ここでは黄色)を版にのせる

彫り進み木版画

見当板に版木をセットする

彫り進み木版画

友達に協力してもらって

彫り進み木版画

上を浮かせておいて、角と下で刷り紙を合わせる

彫り進み木版画

彫ったところが白くなった

彫り進み木版画

1回目の刷り上がり

彫り進み木版画

版木を水洗いして水気をふき取り

彫り進み木版画

2回目の彫りに入る

彫り進み木版画

新たに形を付け加えたり

彫り進み木版画

模様をさらに彫り進んだりする

彫り進み木版画

2色目のインキを板に付けて

彫り進み木版画

先ほどの紙に刷り取る

彫り進み木版画

1回目の刷りのあと彫ったところが黄色くなった

彫り進み木版画

2回目の刷り上がり

彫り進み木版画

刷り上がりを乾燥棚に入れて板を洗い

彫り進み木版画

3回目の彫り

彫り進み木版画

3回目の刷り

彫り進み木版画

うまく色が重なった

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫り進み木版画

完成作品

彫りと色を重ねての詳細

・彫り進み木版画の題材である。彫り進み木版は1度刷った紙に同じ版を使って色を変えながら何度も刷り取っていく版画である。もちろん全く同じ版を使ったのでは色が同じ所に重なるだけだが、彫りを付け加えることで、完全には重ならない部分を作って多色を表現する。彫った所は、前の色が出ると考えると分かりやすい。1回目の彫りでは、彫った所にインキは付かないので、紙の白が出る。(1回目に彫った所は白)1回目に黄色で刷っていれば、その後彫る部分は次のインキがそこに付かないので黄色が残る(2回目に彫ったところは黄色)というようになる。
・このことは実際にやってみると理解できるが、未経験の児童にどこをどの色にするかを考えて彫らせるのはとても難しい。この題材は、彫り進み版画の仕組みを理解していなくてもできるものである。何度か刷りを重ねるうちに自然と仕組みは理解できてくる。
・同じ刷り紙に色を重ねていくが、版は彫り進んで変わってしまっているので、ずれたりして失敗したからといってもう一度1回目の刷りから行うことができない。そこで、最初から3枚程度は刷っておく必要がある。また上下を間違えることも多いので、刷り紙の裏に上下を書いておくと良い。(板の上下が違っていてはうまくいかないので、上下の分かりにくい図案の場合は板の裏にも上下を書いておいて刷る前に確認の必要がある)
・彫り進み版画は、同じ紙に複数回刷るので、ずれないように紙を版木にのせる必要がある。今回は見当板を使ったが、これが無い場合は刷り紙を下にして、上から板をかぶせるようにのせる方法がある。バレンでこする時は、板と刷り紙をひっくり返し、刷り紙を上に向ける必要がある。

コメント

  1. ああああ より:

    わかりやすかったです

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