図工で必要な技能をどのように教えるか

技能をどのように教えるか記事

このページでは、図工で技能をどのように教えるのかについて考えてみたいと思います。図工で求められるているのは「創造的な技能」です。この創造的な技能を身に付けさせるためには、「これはおもしろそう」「やってみたい」と思う題材の提示や「こんなこともできるのでは」とか「いいこと思い付いた」とかなどの自分が考えたことを実際に試す場の設定が重要です。

「創造的な技能」って普通の技能とどう違うの?

技能を「基本的な技能」と「創造的な技能」に分けて考えるとわかりやすいよ!

創造的な技能とは何か

小学校図工や中学校美術で求められている技能は「創造的な技能」です。これは、何度も練習を積み重ねて、職人さんのように正確な加工ができる技能のことではありません。ですから、線通り切れるようになることをめざして何枚も切る練習プリントをこなすとか、型紙を綺麗に切り抜いてペーパークラフトを作るといった題材は、好ましいものではありません。確かにきれいに切ることができるのは、悪い事ではありません。しかし、決められたことを正確にやり遂げることを求め過ぎると修行のようになりますし、限られた図工の時間を長時間それに当てるのは、本当にしなければならないことができなくなる恐れがあります。

では創造的な技能とは何でしょう。たまに勘違いされている方がいらっしゃるのですが、用具の使い方を自分で考えさせることではありません。用具は正しい使い方をするべきで、我流で使っていると刃物などは大きな怪我につながります。基本は基本としてしっかりと教える必要があります。それは、安全指導に始まり、理にかなった扱い方にも及びます。カッターナイフを例に挙げると、刃先を人に向けないという安全指導はもちろんですが、どうすればうまく紙が切れるのかは指導します。具体的には、紙を反対の手でしっかり押さえ、30度程度の角度を保ったまま指先を動かさず肘を引くことで切れることは指導して、実際に経験させてみる必要があるでしょう。こうしたことをしっかり指導しておかないと、カッターナイフを鉛筆のように指先で前後に動かして、うまく切れない子が続出します。この時、この子達は、創造的にカッターナイフを使った訳では無く、用具の仕組みに応じた使い方を知らなかっただけなのです。


 ここまでのことを踏まえると、創造的な技能は、基本的な技能を土台に考えなければならないことがわかります。基本的な技能を創造的な活動に使用するのが、創造的な技能です。自分の表したい事柄に合わせて用具を選んだり、用具の使い方を替えたり、用具を組み合わせたりすることがそれに当たります。また、用具を工夫して使う事も創造的な技能と言えるでしょう。

創造的な技能を身に付けさせるために

創造的な技能の前提として基本的な技能が必要なことは確かなのですが、基本的な事が完全にできるようにならないと、創造的な技能を身に付けさせられないかというとそういうことではありません。ある程度、基本的な指導をしたらそれを創造的に活用させながら、基本的な技能も向上させていくということは可能です。例えば、はさみを使う場合、好きな形を自由に切っていれば、はさみの使い方は自然と上達します。自由な形を切るという創造的な使い方が、はさみの基本的な技能を向上させているのです。つまり、用具を正しく使うためには、それを使う機会がたくさんあることが大切です。「習うより慣れよ」という言葉がありますが、まさにそれです。そのため、新しい用具や素材を扱う際には、「試す」機会がとても重要になってきます。

創造性を発揮させるための場の設定

ところで、何もないところから用具や素材を創造的に使ってみようとなげかけても、ほとんどの子ども達は何をすればいいのかわかりません。紙を扱うのでしたら、紙でできることのある程度のイメージを持たせることは大切です。そういったイメージがあれば、それを元にさらにイメージを広げたり、別の事を考えたりすることができます。火をおこす時に、種火を作るまでは大変ですが、種火から大きな炎にすることはそれほど難しいことではありません。何から何まで教えるというのは間違っていますが、何も教えないというのも正解ではないと思います。発想の元になる種火を与えて、子ども達に様々な発想に広げさせるのが教師の役目だと思うのですがどうでしょうか。

たとえば、紙を折って切るという発想はそれまでに経験した子にとっては当たり前のことでも、経験したことのない子からはまず出てきません。ところが、「紙を折って切る」ということを知れば、4つ折りにした紙を切ったらどうなるだろうかとか、2つ折りの外側を切ってもおもしろそうとか、子どもはどんどん発想を広げていくことができます。この発想を広げる元になるような情報を与えるのも教師の重要な役目だと思います。これは「創造的な技能」を発揮させるための「場の設定」とか「仕掛け」とか言い換えることができるでしょう。

紙を折って切る

この発想の種は、教師から子どもへ与えられる情報だけではありません。子ども同士の鑑賞によっても発想は広がります。「〇〇さんが、おもしろいことしてる!」というような場合です。このようにして、創造的な技能の習得が可能になってくるのではないでしょうか。

まとめ
・技能を「基本的な技能」と「創造的な技能」で考える。
・「創造的な技能」を発揮しながら「基本的な技能」を高めることができる。
・「創造的な技能」を発揮させるための場の設定を行う。

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