小学校高学年の図工作品アイディア「針金とアルミホイルで作る立体造形」

針金とアルミホイルで作る立体造形立体

小学校高学年の図工の時間に取り上げることになっている針金とペンチを使った立体作品の題材アイディアです。この題材では、針金以外にアルミホイルも材料に加えてみました。制作過程を動画で解説していますのでご覧ください。

スポンサーリンク

針金とアルミホイル

小学校高学年の図工で扱うことになっている材料と用具に針金とペンチがあります。これは、その針金とペンチを使った立体作品です。ペンチを使って切ったり曲げたり巻いたり、よじったりすることで針金の形を色々と変化させることができます。針金の加工を楽しむと同時に、そうしてできた形を発泡スチロール板の上に固定していくことで、立体的な造形の面白さを表現する題材です。発泡スチロール板を使う事で挿すだけで立たせることができますので、「立つ」ように構造を意識する必要がなくなります。そのため、植物がひとつの場所から葉や花を上に向かって広げていくような表現も可能になります。これとは反対に立つ構造も意識させたい場合は、発泡スチロール板を使わずに、針金だけで立つように工夫させるようにしましょう。
 動画では、針金だけではなくアルミホイルを材料として加えてあります。作品の大きさにもよりますが、針金作品は細い線だけで構成されるので、スカスカした印象になりがちです。ある程度密度のあるものにしようとすると、針金がたくさん必要になりますが、アルミ線が多くなると材料費の高騰につながります。そこで、アルミホイルと針金を組み合わせて使う題材を考えてみました。アルミホイルは、棒状に固めると太い針金のように扱うことができますし、折って板状にすることも丸く球状にすることもできます。
このアルミホイルを針金と組み合わせてひとつの作品にすることで、形作りのバリエーションが広がると同時に、作品のボリューム感が増します。もちろん、針金だけで作品を作りたい場合は、アルミホイルを無理に入れる必要はありません。

針金アート

針金について

針金はアルミなまし線を使います。なまし線とは、通常の針金を加熱、冷却して柔らかく加工した針金のことです。アルミ線であってもなまし加工がされていないものは硬くて形を変えにくいのでお勧めしません。針金アート用として教材カタログに記載されているものは、ほとんどが柔らかななまし線です。動画の中では、直径2mm、1.5mm、1mmの針金を使っています。2mmは多少固めなのでしっかりした形を作る時に使い、1mmは細くてやわらかいのでよじって束にして使ったり巻き付けて固定に使ったりすると良いでしょう。30m巻きとか100m巻きなどのロールで販売されている針金を切り分けて使うのが経済的ですが、どのように子どもに分けるかが多少問題です。ペンチで切った針金の先は尖っていて危険なので、子ども達自身に切らせる場合は多めに時間を見積もっておく必要があります。ロールをグループに渡し、子ども達が一定の長さに切り分ける方法などがこれにあたります。この場合は、全員が一度に切れる訳ではないので、待ち時間も多くなります。教師があらかじめ材料を切り分けて配布することもできます。この場合は、材料を切り分ける時間は、授業に含まれませんから、効率的に学習ができます。ただし、教師側の負担は大きくなります。
ところで、学習が始まると、どの子も同じように針金を使っていく訳ではありません。手早く何本も形を変えていく子もいれば、1本にとても時間をかける子もいます。学習の最初はみんなに針金が行き渡っていないといけませんが、5本目、6本目を使うのは子どもによって随分違います。そこで、最初に予定数のうちの何本かを渡しておいて、追加は自分でロール状の針金から切るという方法も考えられます。こうすれば教師側の材料準備の時間が軽減されますし、針金を切る時に待ち時間や混雑が発生しないので、学習に影響はほとんどありません。

針金アート

発泡スチロール板とアルミホイルについて

台の発泡スチロール板の大きさは225mm×225mm×10mmのものを使いましたが、この大きさにこだわる必要はありません。動画の中では、スチロール板を四角いままつかっていますが、スチロールカッターがあれば台の形を変えることもできます。(少し乱暴ですが、手で少しずつ割って形を変えても面白いと思います。)スチロール板に色を塗ることもできます。最近の絵の具は質が良くなっているので、個人持ちの絵の具を使って塗ることができます。筆では塗った所をかき取るようになって絵の具が載らないことがあるので、スポンジで広げるように塗るのがお勧めです。
ところで、スチロール板の代わりに、スチレンボードをつかうのもお勧めです。スチレンボードの中には両面を紙貼りしたものがあり、それだとしっかりと針金を留めることができます。(もちろんボンドは必要です。)手に入りやすい厚みとして7mmが上限かと思うので、これを使うといいでしょう。スチレンボードはカッターナイフで切ることができます。ただ、大きなカーブや直線は切れても、複雑な加工は難しいでしょう。
 アルミホイルは、キッチン用に市販されているもので十分です。量もそれほど必要ないので、グループに1、2本あればたりるでしょう。

針金アート

授業の流れ

授業の流れとしては、針金やアルミホイルでできる形を試す活動とスチロール板にまとめていく活動の2つになるでしょう。といっても、スチロール板に留めながら、新しく形を作っていくこともできます。ただ最初からスチロール板に挿しながら行うと、針金でできる線の形に集中できなくなるかもしれません。そこで、最初はスチロール板を持たずに、針金やアルミホイルでいろいろな形を作ることを中心に活動するのがいいでしょう。この時に作った形は、次のスチロール板に立体作品を作る時まで取って置きますが、作品にそれを使っても使わなくても良い事にしておきましょう。
 なぜなら、いろいろ試した時に作った形は、スチロール板上に作りたいイメージと合わないかもしれないからです。当初から出来上がりをイメージして作り始めるのと違い、自由に試す活動でできたものを使うか使わないかは子どもに委ねるのがいいでしょう。

コメント

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました